初戦からがっぷり四つの白熱の試合展開。追いつ追われつの攻防。これぞ日本シリーズと思わせる試合だった。
そして最後に勝利を掴んだのは、ホームチーム・福岡ダイエーホークスだった。
日本シリーズ開幕直前に阪神星野監督のシリーズ終了後での退任が報道される中でのシリーズとなったが、
肝心の試合に注目しよう。先発メンバーは両軍とも小細工、奇策は一切無し。斉藤と井川の２０勝投手同士の
投げ合いで幕が開いた。
立ち上がりに今岡にヒット、桧山四球とピンチを招くも広澤を打ち取り初回を切り抜けた斉藤。逆に井川は初回を
三者凡退に切って取る上々の立ち上がり。ところが先取点は２回二死走者無しからホークスに入る。バルデス四球で
ズレータ、村松に連打で１点を先行した。
しかし阪神は粘り強いチーム。４回に乗せてはいけない矢野に右中間を深々と破られる２点タイムリーが飛び出す。
これで主導権は阪神…となるところだったが、すぐその裏に同じく捕手の城島が井川の失投を見逃さず完璧なスイングで
レフトスタンドに運んだ。さらに無死満塁と攻め立てて鳥越の犠飛で再逆転。相手に流れは絶対渡さないぞという強い意志が
見える。この後は一進一退の攻防が続く。７回表に阪神が同点に追いついた後はこう着状態になるが土壇場の９回に
ドラマが待っていた。７回から登板して３イニング目となった安藤に鷹打線が襲いかかる。松中四球、城島ヒットで一・二塁。
ここで二塁走者を松中から大越に代える王監督。延長の可能性もあったがまさにここは勝負に出たのだ。その期待に
ズレータが応える。シングルヒットでの本塁突入を防ぐために前進守備を敷いていた阪神外野守備陣の頭上を打球が襲う。
センター赤星のダイビング及ばず打球が落ちた瞬間勝利の凱歌がホークスにあがった。
とにかく一瞬たりとも目の離せない好ゲーム。このような試合を見れたのはある意味幸せだなと思う。できることなら
やはり生で、ドームで見たかったが…
初戦を取って有利になったのは間違いないが２戦目も大事な試合となる。
今日のようにいい試合をして、最後には勝利をつかんで欲しい。