田中整体療院

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冷えのセルフケア(紐しばり)(2018.8.12.)

1.【効果】
全身の血行がよくなるので、冷え性から不眠、婦人病、慢性病、ダイエット、お肌にまでと様々な効果があります。

2.【紐しばりはいつ行えばいいのか?】
◆睡眠中
紐しばり矯正法の効果が最も高いのは睡眠中であり、無理なく紐しばりができる時間帯です。慣れないうちは、脚が自由に動かない、寝返りが思うように打てないといった不便を感じるかもしれません。
でも、1週間ほど続ければ、次第に股関節が正しい角度になり、骨盤や背骨が真っすぐになるにつれて、気持ちよく眠れるようになります。
なお、睡眠中の紐しばりは、横を向いて左右の脚を前後させる姿勢で寝たりするので、後述する「三点しばり」がより効果的ですが、1本で固定する場合は、“膝上”を固定してください。症状の原因が股関節にある場合、それだけでも十分な効果が得られます。
◆仕事中・勉強中
両脚揃えて、紐で膝上の1点をしばります。こうすることで背骨が真っすぐになり、上半身の姿勢がよくなります。
◆乗り物に乗っている時
電車やバス、車などに長時間乗っている時に膝上の一点をしばっておくと、疲れにくくなります。

<三点しばりの方法>
三点しばりというのは、両脚を左右対称の位置に揃えて、膝の真上、膝の真下、
足首の3ヶ所をしばる方法です。
この3ヶ所をしばることではじめて、横向きに寝た場合でも両脚が骨盤に対して
均等な股関節角度を維持できるようになります。すると、骨盤につながる背骨の
生理的カーブが保たれます。その結果、背骨の椎骨の間にある椎間板が押しつぶ
されなくなりますし、捻れた状態の筋肉や靭帯も正しい位置に戻ります。

3.【睡眠中のひもしばりの注意点】
最初から3ヶ所をしばると寝苦しく感じるかもしれません。その場合は1本の紐で膝上、または足首をしばることから始め、徐々に慣らしていくとよいでしょう。
睡眠時に紐しばりを行う時は次の点に注意してください。
①両脚を一緒に正しい方法で、しっかりとしばること(うっ血しない程度に)。紐
にたるみが出るほど緩いと、寝ているうちに紐がズレてしまい、股関節や骨盤、
背骨のバランスを整え、血行をよくする効果が得られません。
②膝の間にタオルなど挟まないこと。股関節が外側に開いてしまい、逆効果になり
ます。
③できるだけ両脚を伸ばして仰向けに寝ること。但し、慣れるまでは、横向きに寝
てもよい。また、仰向けに寝て、膝の下に枕やクッション、二つに折った座布団
などを入れて曲げてもよい。慣れるにしたがって、脚を真っすぐに伸ばして寝ら
れるようにします。
④夜中にトイレなどに起きた時には、紐をいったんほどく。布団に戻ったら再びし
ばり直しましょう。
⑤男性は睾丸を両脚の間から引き出しておく
(血行がよくなるので、蒸れないように)。
⑥股関節変形が強い人やO脚の人は3ヶ所をしばって寝ると脚や腰が痛くなったり、
寝苦しいこともあるが、許容範囲内ならなるべく我慢して続ける。ただし、絶対
に無理は禁物。
なお、紐しばりを行っている状態で、地震や火災など何らかの事故が起こった場合、一切責任を負うことができません。何卒ご自分の責任の範囲で行っていただくようお願いいたします(落ち着いて紐を外せば大丈夫です)。

4.【紐しばりに適している紐、適さない紐】
「紐しばり」に使う紐は、次のような紐が適しています。
①幅が広く、しっかりとした布の紐。中央部分に芯が入っている紐は、しばりやす
く、脚が効果的に固定できます。
②ネクタイ
③着物の伊達じめ。幅5cm以上のものを使いましょう。細い腰紐は脚をしめつけて
しまうため不適当です。
④自分で作る。紐の材料は、厚地の木綿生地が適しています。
出来上がりの紐は、長さ約170cm、幅約5㎝です。
中央部分だけに芯を入れます。芯を入れることによって、脚をしっかり固定する
ことができます。しばりやすくするために、紐の両端には芯を入れません。
◎材料・・・木綿の生地(長さ170cm、幅15cm)
5cm幅のベルト芯(70cm、スカートのウエスト部分に入れる芯)
◎作り方・・・ベルト芯が布の中央になるように折って、周囲を縫う。芯を入れ
た部分は、さらに中心線を縫うと芯が動かずしっかりする。
太っている方は長めに作るとよいでしょう。
⑤作業ベルト
(例えば、着脱ワンタッチの「GREENCROSS 作業ベルト」。
これは、バックルも外しやすく、ベルト長さが不足することもありません。
ちなみに500円ぐらいのを試したら、バックルは固く、またベルト長さが体格
により不足しました。)
逆に「紐しばり」に適さない紐は、
①ストッキングのような伸びるもの(脚が動いてしまいます)
②タオルのような柔らかいもの(脚が安定しません)
③細い紐(血行を悪くします)

【その他】
◆寝る時だけでなく、起きている間もできるだけ脚を紐でしばっておくようにすると、手足や腰の冷えの解消にとても役立ちます。
椅子に座っている時は、両脚を揃え、膝の上を紐でしばっておくと、股関節が開かないため、骨盤内や脚の血流がとてもよくなるので、冷えを感じなくなるのです。

◆脚をしばると血行が悪くなるのではないか、窮屈で寝にくいのではないかと不安に感じる方もいると思いますが、実は全く逆なのです。
紐しばりは脚の血行、全身の血行を大変良くして、自律神経のバランスや骨格全体のバランスを整える作用がとても高いので、冷え性を改善するだけでなく、腰の痛みや肩こり、生理痛や不妊の悩みなど女性に特有の様々な悩みを解消してくれます。
しかも、効果が現れるのがとても早いのも紐しばりの特徴といっていいでしょう。

◆股関節のバランスが悪くなり、左右の脚の長さが違ってくると、寝ている時の姿勢も変わってきます。
横向きにならないと眠れない、うつ伏せになると落ち着く、足の下にクッションを入れて高くすると寝やすいという人もいます。レスリングの4の字固めのような姿勢で寝ている方も少なくないようです。
このような睡眠中の姿勢は、いずれも冷え性を益々進めてしまう原因になります。なぜなら、これらの姿勢はどれも脚の付け根の太い血管を圧迫し、血液の流れを悪くしているからです。

◆紐しばりを続けているうちに股関節が正しい位置に保たれるようになり、骨盤や背骨も正しいバランスを取り戻していくので、睡眠中の姿勢も安定して、とてもよく眠れるようになります。
紐しばりを始めた最初の2,3日は脚が窮屈に感じられるかもしれません。脚が自由に動かない、自分の好きな寝相がとれない、寝返りがうちにくいなど不自由に感じるかもしれませんが、すぐに慣れてきます。遅い人でも1週間もすると、気持ちよく熟睡できるようになることでしょう。
はじめのうちは、脚をしばって横向きに寝たり、膝を曲げてもいいでしょう。でも慣れてくるに従って、仰向きの姿勢で、脚をまっすぐに伸ばして眠れるようになるはずです。

◆紐しばりの効果を高めるコツは、きっちりと固くしばることです。紐にゆとりがあると脚が動いてしまい、股関節のバランスを整える効果がなくなってしまいます。脚を動かしても両脚の膝が離れないようにしっかりとしばることが大切です。
最初のうち、どうしても寝苦しい時は、紐の結び方を少し緩めてもよいでしょう。慣れたら、しっかりと結ぶようにしてください。

◆小さい子供に関しては、2歳以降からはじめることをおすすめしています。1歳を過ぎると自分の足で歩き始める子供が多く、先天的に股関節が外転または内転している場合、歩くことで症状が進んでしまうからです。
ただし、小さい子供の場合は、症状や体力に個人差が大きいため、興味をお持ちの方は、最寄りの磯谷式力学療法所に相談されることをおすすめします。

(出典)
・「股関節転位を治す 全人類の健康法」磯谷圭秀著(2001年)
・「冷え取り ひもしばり健康法」奥村耕二著(2005年)
・「股関節の内旋が病気をつくりだす」磯谷圭秀著(2017年)

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