田中整体療院

トピックス(健康関連)    

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味噌の魅力(2012.12.05.)(2017.02.27.更新)

  

人間の免疫力の7割は腸に依存している、と耳にされたことがあるかもしれませ
んが、ご存じのとおり、それは“腸の菌バランス”(善玉菌、悪玉菌、日和見菌)   
次第。   
  
そして、そのバランスをよい状態に保つには、「発酵食の日常的な摂取」で簡単
に、そして意外と短期間のうちに実現可能です(牛乳、ヨーグルトなどの乳製品ではありません)。
  
具体例を挙げるまでもなく、漬物、納豆、味噌汁、醤油、甘酒・・・と日本にはた   
くさんの発酵食品がありますが(しかし、今はほとんどの発酵商品がニセモノ。   
ちなみにキムチも発酵食品ですが、国内製品は化学調味料で味を似せただけの   
真っ赤なニセモノ)、ここでは、「味噌」に絞って書いていきます。   

  

麹は酵素の宝庫
酵素というのは、一定量しか体内に生まれないと言われています。加齢によっ
て出にくくなってしまうようで、自分で生み出すことができなくなってしまっ
たら、他の動植物からいただくしかなくなるわけですが、そんな時、味噌は
格好な食材の一つです。   
  
というのは、味噌作りに必須の麹は、「酵素の宝庫」といわれるほどに麹菌が多く
の酵素を作り出してくれるからです。   
酵素以外にも、グルコン酸やクエン酸、コウジ酸などの有機酸、ビタミン類、芳香   
族化合物など、麹菌が作り出すものは、ざっと数えただけでも200以上あります。   
  
また、「酵母」や「乳酸菌」という言葉でひとくくりにされる微生物群も、数えき   
れないほどの種類があり、味噌の発酵に関わっています。   

  

味噌は栄養豊富で機能性に富む
日本人の食生活は、炭水化物中心でしたが、そこに欠ける部分を味噌が補って
いました。つまり、味噌はタンパク質をはじめ、カルシウムやマグネシウムなど
のミネラル分、あるいは多くのビタミン類など、豊富な栄養成分を持っており、
それゆえに味噌は古くから日本の食文化の中で重要な位置を占めていたのです。   
  
しかし、一昔前まで、味噌は高血圧の原因だと言われて目の仇にされてきました。   
今では、血圧降下作用があるとされています。   

近年になって、人の身体によい働きをする「機能性」が科学的に解明されるよ
うになったからで、味噌が改めて注目されるようになったのです(補足に記載した
とおり、味噌には多くの機能が秘められていることに驚かされます)。   

  

味噌の価値
味噌の価値は、原料そのものが“よいもの”であると同時に、多くの微生物が
活き活きと働いていることにあります。   
  
しかし、現在の味噌は、   
・タンパク質やデンプンを分解するために、塩酸などの化学薬品や酵素剤などを   
使います。
・味をつけたいなら、化学調味料を入れます。
・保存をする為なら、アルコールやソルビン酸を混入します。
・雑菌を殺すなら熱処理をします。   
「科学の力」をもってすれば、なんでもできます(工業的に作られた味噌には、こ   
のようにして作られるものが多いのです。そのような製品は、パッケージ裏面に原   
材料名がたくさん書かれています。一目瞭然!)。   
  
しかし、そんな化学物質を混合しただけのようなものに、上述した価値はありませ   
ん。味噌は、生きた無数の微生物が働いているからこそ、よい味噌であり続けるの   
です。   

  

最後に、本物の味噌を手に入れる為の参考情報を書いておきます。

  

味噌本来の持ち味や有効成分を期待するなら、   
最低でも1年以上熟成させた本醸造を求める   
材料は、遺伝子組み換えの心配がない「国内産大豆」と「自然塩」を原料とし   
たものがよい(ちなみに、安い味噌には輸入大豆や脱脂大豆(カス)が用いら   
れています。化学塩、漂白剤、防腐剤などの薬品もいっぱい)   
  
マルカワみそさん枡塚味噌さん石井味噌さんこちらのサイト   
などもご覧ください。   
  
スーパーで買い求めらるなら、最低限以下の2点を満たすものを選択ください。   
パッケージ裏面の原材料欄を見て頂き、   
「大豆、米、食塩」のようにシンプルに書いてあるもの   
生きている酵母菌の空気穴(呼吸孔)があるもの   

  

ところで、お味噌にはとことんこだわりたいという場合、国内産の大豆を購入   
して自分でお味噌を作るのが一番です(現状、食べ物の安全性・品質にこだわ   
り出すと途方に暮れてしまいますが、まずは、味噌、塩など要となる調味料に   
だけ本物にこだわるというやり方でよいと思います)。   
  
作り方は、煮て(or蒸して)、潰して、混ぜるだけと、とても簡単です   
(詳細は、引用書籍①、私自身の経験をまとめた“ポイントまとめ”参照)。   
  
作る適期は、寒い時期といわれてますが、一日の最高気温が20℃になる頃、   
つまり、3 月末~4月上旬が適期です。   
  
一世帯当たり年間味噌消費(購入)量は、7.33kg(世帯人員3.14人;総務省   
家計調査2007年)ですから、それをもとに仕込み量の例を示すと、   
米麹味噌(塩分12%、米対大豆=1対1)を作るとして、米2kg、大豆2kg、   
食塩約900g。この仕込み量で7.5kg前後の味噌ができます。   
  
1年に一度、ちょっとした手間をかけるだけで簡単に本物の味噌が手に入ります。   

  

(補足)味噌の機能性   
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味噌の機能性       ⇒根拠(味噌の成分など)   
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◇ガンの予防効果   
(特に肺ガンと喫煙の関係)⇒疫学的調査の結果から   
◇放射性物質の除去     ⇒動物実験   
◇血圧降下作用       ⇒タンパク質、糖、イソフラボン   
◇抗酸化作用        ⇒サポニン、イソフラボン、トコフェロール   
◇血糖値の平準化、   
インスリン分泌の促進   ⇒メラノイジン(褐色色素)   
◇コレステロールの   
低減・上昇抑制      ⇒メラノイジン、サポニン、タンパク質   
◇発ガン物質の排泄   
(肝臓のGST活性)    ⇒味噌そのものが肝臓のGST活性を高める   
◇消化管機能改善      ⇒オリゴ糖   
◇降コレステロール、   
前立腺がん予防      ⇒植物ステロール   
◇脂質代謝調節       ⇒サポニン、レシチン   
◇老化防止         ⇒コリン、メラノイジン   
◇生体防御         ⇒レクチン   
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(引用書籍)   
①「誰でもできる手づくり味噌」永田十蔵著(2008年12月)   
②「からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て」大森 一慧著(2008年10月)   
③「お味噌のことが丸ごとわかる本」東京生活編集部編集(2007年7月)   
*P.130~146に分かりやすいフローチャートあり

   
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