口呼吸が病気を引き起こすメカニズム


                吉田鍼灸指圧治療院
   吉田 純久
    TEL 0986−23−8531
  http://www.btvm.ne.jp/~himawari/index.html


 「私たちは何故病気になるのか」で述べた通り、病気の多くは、交感神経緊張状態(ストレス状態)による血流抑制や、過剰なアドレナリン(神経伝達物質)や顆粒球(白血球)による組織障害により発生します。そして、捉え方は違いますが、私たちは何故病気になるのか、どうすれば病気は治るのかについて、もうひとつの側面からの所見を、ここに記載したいと思います。この事実は、きっと皆様の病気の治癒及び健康管理に役立つものと思われます。是非、試してみて下さい。
 

1.口呼吸が病気を引き起こすメカニズム

 私たちは、日常、空気中や飲食物からのおびただしい程の細菌やウイルスにさらされています。これらの、病原体の人体への進入経路(皮膚に異常が無いかぎり)のほとんどは、外界とつながる、鼻、口、生殖器からです。鼻、口、生殖器にはもちろん、そのような病原体を防ぐための防御機構を持っています。しかし、口だけは、それが開いているとその防御機構が働かないどころか、病気を引き起こす温床になってしまいます。人類は言葉をしゃべれるという能力の為、口で呼吸できます。人類以外の動物は口で呼吸はできません。呼吸器官は別になっています。この事実は、人類の動物としての構造欠陥と考えられています。
 では、何故口呼吸が、病気を引き起こすのか説明して行きたいと思います。


【口呼吸が病気を引き起こすメカニズム】


 @口や鼻の奥には、口蓋扁桃、舌扁桃、咽頭扁桃、耳管扁桃という4つのワルダイエル扁桃リンパ輪という扁桃組織があり、細菌やウイルスを白血球がとりこんで、消化するシステムがあります。


      A鼻から取り入れられた空気は、1.鼻腔(繊毛、粘液)を通り、次に2.副鼻腔で加温または加湿され、3.ワルダイエル扁桃リンパ輪に取り込まれ消化または情報伝達される。 OK!


 B口呼吸では、Aの生体防御の関門を通らず、病原体が混じったままの空気が、ワルダイエル扁桃リンパ輪を直撃する。


 C扁桃の白血球(M細胞:マイクロピーりー細胞)が病原体を取り込みはするが、消化し
 きれず、未消化のウイルスや細菌を抱えたまま全身をめぐる。


 D細胞内への大量な病原体の不顕性感染の成立。

 E細胞内のミトコンドリアで行われる、呼吸やエネルギーの産生の障害による、細胞のリモデリング(再構築)の阻害。

 F感染した細胞の核酸が変質し、白血球がこれに対して抗体を作る。免疫病患者の抗核抗体値の上昇の原因。
 ※自己免疫疾患とは、自己の細胞を白血球が誤って攻撃しているのではありません。白血球の反乱などといわれますが、そんなことはありません。感染した細胞の変質した核酸への抗体ができているのです。

Gそして病気の完成。以下の疾患が口呼吸が原因と考えられています。

・甲状腺→橋本病、甲状腺炎症
・口腔・眼→シェーグレン症候群、ベーヂェット病、網膜症、ブドウ膜炎、緑内障、
     白内障、円錐角膜、ドライアイ
・鼻・嗅覚・味覚→鼻炎、鼻閉、嗅麻痺、味盲
・中耳、内耳→中耳炎、耳鳴り、難聴、メニエール、耳管狭窄症
・胸腺→重症筋無力症、眼瞼下垂症
・関節頭の白血球造血器→リウマチ、関節炎、白血病、関節症
・リンパ造血器→悪性リンパ腫、サルコイドーシス、好酸球性肉芽腫
・骨髄造血器→再生不良性貧血、血小板減少症、白血球減少症、紫斑病、骨髄異形
       成症
・すい臓→糖尿病、膵臓炎
・消化管→腸炎、胃炎、クローン病
・大腸→下痢、腸炎、潰瘍性大腸炎
・泌尿、生殖系→子宮筋腫、卵巣嚢腫、無月経症、内膜炎、生理痛、膀胱炎、
       前立腺炎
・皮膚→皮湿、湿疹、アトピー性皮膚炎、皮膚筋症
・皮下組織→膠原病、強皮症、エリテマトーデス
・筋肉→多発性筋炎
・脳神経→偏頭痛、うつ病、統合失調症、幻覚幻聴
・気道・気管支→ぜんそく、間質性肺炎、気管支拡張症
・心臓・脈管系→心疾患、心筋症、大動脈炎、静脈炎、レイノー症
・腎臓→ネフローゼ、腎炎
・脳→パーキンソン病、痴ほう、失神
・脳下垂体→下垂体腫、下垂体炎
・全身→慢性疲労、過労死
・神経、筋肉の痛み→脊髄小脳変性症、進行性筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症


【そして冷飲食による免疫系のみだれ】

  そして冷たい飲食物を摂取したときも同じ様な障害が発生します。口呼吸と冷たい飲  食物のダブルパンチで病気が発生します。冷たい飲食物を摂取することで、腸管免疫系  は大きなダメージを受けます。腸管の温度が1℃〜2℃下がると、免疫系は働くことがで  きません。飲食物が病原体と一緒に、腸管に侵入した場合、免疫がうまく働かず、白血  球は病原体を捉えるが、消化することができずに、病原体を抱えたままになります。あ   とは、口呼吸と同じ理由で病気を引き起こします。また、病原体が侵入しなくても、通常  病原性の無い常在細菌が、免疫系のバランスの崩れに乗じて、感染を引き起こします。  後は、やはり同じです。体を冷やして、元気になる人はいません。体を温めると病気は治  るのです。理由は簡単、免疫系は、体温でいうと36.5℃以上で活発に働くからです。

ここまで、分かれば後はどうすればいいのかは一目瞭然です。

 1.口呼吸を止め

 2.冷飲食をしない

  そうすれば、病気は治癒に向かいます。

※昔のお医者さんは、冷たい物を摂りすぎないように、とか体を冷やしてはいけませんと言ったはずです。今は誰も言いません。

私のまとめた、「私たちは何故病気になるのか」「健康生活」を併せてお読み下さい。

<参考文献>
「免疫、生命の渦」  西原克成著  哲学書房  
「究極の免疫力」   西原克成著  講談社インターナショナル
「アレルギー体質は口呼吸が原因だった」 西原克成著  青春出版社
「眠りながら綺麗になる本」 西原克成著  三笠書房 他

西原ワールド  http://www.nishihara-world.jp/index.html

    2004年9月22日
        以    上

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