16.溝の口洞穴

鹿児島県財部町の人里離れた山の中にあります。撮影日は、2006年5月21日。凝灰岩が地下水の浸食作用によりできたそうです。入り口は、幅13m、高さ7m、奥行きは224mあります。地元の人の話によると犬を中に入れたら、15qほど離れた高千穂峡に出できたという伝説があるそうですが、あながちうそでもなさそう。というのは、私は20年ほど前、5、6人でこの中をフル装備で探検しました。200mほど入ると行き止まりにはなっていましたが、実はまだ小さな穴が奥まで続いており、歩伏前進しながら進んだ記憶が有ります。しかし危険です。よい子は真似をしないでね。

不気味な洞穴がぽっかり穴をあけています。

地下水が流れています。下流の庄内川へそそぐ流れです。小さな小魚がいます。この地下水が洞穴を作ったのでしょう。ここの土質は硬質シラスです。10万年昔、霧島が大爆発したとき、降り積もった火山灰が、その後堆積されたボラ土等と、雨による自然転圧により凝縮され硬質シラスとなりました。そういえば、中国南西部、水墨画のような風景の桂林の山奥に、深さ400mの地元で天孔といわれている大穴がありますが、これは地下の石灰岩が地下水により浸食され、崩れ落ちてできました。いずれにしろ、軟岩であるため除々に地下水に浸食されます。

入り口に、洞穴観音像があります。南九州には、山にはやまのかんさあ(山の神様)たんぼにはたのかんさあ(田の神様)がいますが、これはさしずめ洞穴のかんさあ、といったところか。

中は真っ暗です。中がかなり広いためカメラのフラッシュをつけても、届かない。30mほど入った所から、入り口を撮ってみました。かって200mほど入った奥で、スチールカメラでしたが、天井を撮ると、奇怪なキツネの姿が写っていました。知り合いの霊感者の話では、昔この山で修行した行者の魂が姿を変えて出てきたものとのことでした。

洞穴の入り口に神木がありました。どっちにしろ、ここはミステリースポットなので、ピクニックで来るような場所ではないようです。調査、探検むき。

ところでここは、山菜採りが好きな人には、絶好の場所です。ワラビがたくさん自生しています。4、5月頃が、摘み取り時期。