ガウリイの髪型はよく変わる。
簡易に一つに纏めたものから、三角巾で下し髪をまとめたり、ゆるく横に纏めたり。
「ガウリイさん。今日は水玉柄のゴムなんですね?」
いつも普通のゴムなのに珍しい、と僕が言えば、ガウリイさんは微笑んで少し首を傾げた。
それに合わせて、三つ編みが肩を滑っていく。
「水玉というか、マカロンの絵なんだよ」
あとこれはシュシュね、と言うガウリイさんは優しくゴム、もといシュシュを引っ張る。
シュシュって言うんですか、と僕はシュシュよりもそれを抓んでいるガウリイさんの指先を見ている。
あの指で竹刀を握っていたのか、とか、あの指でこのサンドイッチは作られたのか、とか……。
大切に食べよう。
「これくれたのは、君の妹さんなんだけど」
「・・・・・・えっ?」
聞いてなかった?
という声は俺を通り過ぎて。
「去年、クリスマスプレゼントで貰ったんだよ」
「・・・・・・…、その手があったか!!」
机に手をつく少年と、それに驚くガウリイと、温かく見守る店員と常連客。
それが店内にいつも流れる空気で。
「ちゃんと使ってるよ、って伝えて貰えるかな?」
そう声を掛けられて僕が顔を上げると、ガウリイさんがシュシュを解いて髪をばらして、また軽く髪を束ねてシュシュでゆるく纏めた。
その広がり集う髪に僕は視線を奪われる。
「伝言、お願いしてもいい?」
ガウリイさんに小首を傾げられ、僕は意識を戻す。
「は、はい…」
「シュシュって初めて使ったんだけど、便利だね。簡単に纏めただけで様になるし」
そう言ってほほ笑む姿を見ることが出来る事に、此処にはいない妹にグッジョブ、と賞賛を送ったのだった。
end
クリスマスネタの引き続きです。
純粋に、珍しいと思ったグロウ君とそれに答えたガウリイさんのお話です。
一応、飲食店なのでガウリイさんは髪を下したままにはしていません。リナちゃんも。
ちなみに、シェーラちゃんがガウリイにシュシュをプレゼントしたのは、マカロン食べたいなぁ、と思ったからです(笑)