「なんで俺が風なんだ!!」
「それはあたしが太陽が似合う美少女だからよ!!」
胸をはる少女に、俺はため息をつくしかない。
お前が太陽のようであるのは認めなくもないが、この場合お前が太陽を選ぶというのはどうかと思うぞ。
頭を抱える俺の代わりに、アメリアが突っ込みを入れてくれた。
「で、リナの本音は?」
「ガウリイを私の手で脱がしたいからに決まってるじゃない!!」
「「・・・……分かってたけどね」」
なんでお前はガウリイが女の時はそんなに構いたがるんだ…。
構い方にも不安は感じるが。
いや、かなり不安だが。
ぶっちゃけ、不安しかないが。
「……まあ、ここでこうしていてもしょうがありませんからそろそろ始めませんか?」
そう問いかける投げやりなアメリアの態度に、はたしてリナは気付けたかどうか。
北風と太陽(にょたガウ注意)
※にょた表現は特にありませんけど(苦笑)
「あの旅人の服を脱がせた方を勝ちとしましょう!」
そうリナが指さす先には、珍しく長袖のシャツを羽織ったガウリイ。
荷物を背負って街道をトボトボと歩いている。
「まずは私ね!!」
「・・・…違うだろ!!」
「うっかりガウリイがゼルの時に脱いじゃったら困るじゃない!!」
多分脱がないから。ていうか早くリナが脱がしたいだけだろう。
俺の静止を無視してリナが行動を起こした。
ギラギラと照りつける太陽。もとい、火炎球。
恐らく体感温度はどんどん上昇している事だろう。
ガウリイがつく息が荒くなっていくのが分かる。
「よしっしゃ、私の勝ち。
ガウリイの一日所有権は私の物よ〜!!」
「そんなもの賭けてねぇ〜〜っ!!」
「暑っ・・・…」
汗をぬぐうガウリイ。
皮膚に張り付いたシャツが艶めかしい、なんて思っていないぞ俺は。
隣でテンションの上がったリナが、俺をバンバンと叩いても知らないふりを決め込む。
「さあ、脱ぎなさいガウリイ。そして私に美味しく頂かれなさい」
俺は何も聞いてない。
「でも、こういう時は日焼けするといけないから服を脱いじゃいけないんだよな」
「え……?」
「……え…?」
ぽつり、と呟かれた言葉に俺が、そして少し遅れてリナが反応する。
審判役のアメリアはすでに『×』の札を手に持っている。
そして決定的なひと言をガウリイが漏らす。
「リナが日焼けするなって言ってたしな」
襟元をしっかりと押さえるガウリイ。
リナ、何故お前は太陽を選んだんだ。
もちろん結果は明らかで。
リナはイジケテいる。
「ゼルガディスさん、どうします」
そう言うアメリアは、この茶番を続けるかどうかを問うていて。
俺は続ける意図を告げる。
まあ勝敗はつかないまでも、俺も玉砕すれば少しはリナの気も晴れるのではないか、という考えと北風も一応存在をアピールしておかねば、という気持ちで。
「まあ、とりあえず」
俺は風を起こす。
あまり強い風ではガウリイがかわいそうなので、ほどほどの風を。
「暑〜っい」
ガウリイがうんざりとした表情を浮かべている。
もう少しだから辛抱してくれ。
「もう、やってられるか!!」
「!!」
「……ダメだっ!!」
「待って、ガウリイさん!!」
「こんな熱風耐えられるかっての!!」
ポーンっ、と潔く上着+荷物を放り出すガウリイと固まる俺とアメリア。
「………なんであたしじゃなくてゼルなのよ…」
ジットリ。
視線に湿度が伴う場合があることを俺は知った。
「まあ、リナの自業自得よ」
反論は出来ないが、はっきり言い切るアメリアが怖い。
うぎゃー、と暴れはじめたリナと、それを取り押さえる俺たち。
舞台の上から、俺たちを心配そうに見ているガウリイ。
そして、唖然とする客席。
この仕事失敗したな、と俺は早々に報酬はあきらめた。
「お前らが直接出た方が良かったんじゃ・・・…?」
客席の後ろで裏方をしている俺たちを指さしているガウリイ。
人々の視線が痛い。
「お前等バカだなぁ〜!!」
その言葉と共に舞台で爆笑するガウリイ。
それに俺たちが反論するよりも早く、客席が反応した。
『アハハッ』
『そうだそうだ』
『予想外でいいんじゃないか』
笑いに包まれる客席。
いつの間にか冷めた空気から、和やかな空気に変わっていて。
その日、リナはガウリイにちょっぴり多めに報酬を渡したらしい。
end
にょたガウのお仕事風景の一コマでした。
街のイベントで30分ぐらい時間を繋いで欲しい、といった依頼で。
ふと湧いたネタでした。何か別のこと経由で「北風と太陽」を考えていてそこからスレイにネタチェンジしたんですが。
最初は♂ガウで考えていたんですが、♀ガウに切り替えたらすんなり進みまして。
まあ、太陽はリナちゃんですよね(汗)
そしてうちの場合リナちゃんが太陽だとヤバい、という(大汗)
ブログにて 2014年1月14日掲載
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