温もりの共有



 どかっ。

 ベッドから蹴落とされて、半分眠りかけていた頭が痛さで復活した。
 蹴落とされた理由は分かっているから、恐る恐る顔を上げる。

 そこには予想通り不機嫌な表情があって、
「入ってくるな」
 一言で切り捨てられる。

 でも、これは日常茶飯事のこと。
 これしきのことで諦めていては、目的の場所にはたどり着けない。

 彼はさっさと目を閉じている。知らない振りをするつもりらしい。
 徹底的に蹴落とされ続けるよりは、随分とましな状況だ。
 もっとも、希望としては毛布の端を持ち上げて招き入れてくれるのが理想なのだが、彼にそれを期待しても基本的に無理なことを知っている。よほど機嫌のいいときならば、してくれないこともない。
 今日は無理のようだが、最悪のパターンでもない。

 状況が変わらないうちにと、さっさと自分の体を横に滑り込ませる。
 彼の包まっていた毛布をいくらか貰うと、彼の熱が毛布越しに伝わる。
 彼が不服そうな声をあげる。
 おおかた、温まっていた毛布を持っていかれたのが不満なのだろう。
 その頭を抱え込み、自分の胸に押し当てることで、黙らせる。

 もそもそと腕の中でガウリイが動いている。
 寝るのに都合のいい体勢を探しているのだろう。
 その動きは俺に安堵を与え、眠気を呼び込む。
 やがて腕の中で静かな寝息が聞こえ始め、それに会わせて意識がゆっくりと眠りの淵へと落ち込んでいく。

 泡沫の穏やかな時間。



うちのヴァルさんは添い寝大好きです!!


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