雪虫 3

※性的表現がありますので、18歳未満の方は読まないでね。



「………、まったくお前は…」
 ミルガズィアがため息を吐きながら振り返れば、そこには微笑みを浮かべたガウリイが居て。
 己の身体をミルガズィアの背中に預けたままに、ガウリイはクスクスと笑いながら手を相手の前へと回してボタンをはずしていく。
 その間も頬や額に唇を落としながら。

 されるがままになっていミルガズィアは、己の上着が取られるとともにガウリイに体ごと向き直り、その身をベッドへと沈めた。
「…その気になったか?」
「ああ……」
 ベッドに押し付けているガウリイにそのまま口づけしようとしたが、それは間に手を挟まれて阻止された。
「…?」

「俺、あんたにキスされるとメロメロになっちまうから、もう奉仕とか出来なくなっちまうけどいいのか?」

「………何をしてくれるんだ?」
 微笑むガウリイは、「それを言ったら面白くないだろ」と囁いて、ミルガズィアの肩を押し逆に彼をベッドに押し倒した。
そしてその体の上に馬乗りになる。
「騎乗位でもしてくれるのか?」
「………それがあんたの望みならするけど、しばらくは俺に任してくれない?」
 とため息交じりに言われれば、もう次に紡げる言葉は無くて、おとなしくされるがままになる。
 ガウリイはミルガズィアに跨ったまま、その胸に手をついて体を倒した。

 はむっ。

 下がってきたガウリイの顔はミルガズィアの視線を通り過ぎ、さらに降下した。
 そして、耳を食まれる。

 繰り返し、柔らかいものが耳を圧迫する感覚に、ミルガズィアは擽ったさとじれったさを覚える。
 ガウリイの戯れは次第にエスカレートしていき、濡れた舌で耳を愛撫した。
「…擽ったいぞ…」
 耳元に、微かに笑う吐息が掛かり、動く気配がする。
 体を上げたガウリイは、己を見つめるミルガズィアに笑顔を一つ零して再び姿勢を低くした。
 そして今度の対象は反対の耳。

「……んっ」
 再び甘く食まれるのかと思った耳は、今度はいきなり歯を立てられた。
 もちろんそれは甘噛みだが、予想外の刺激にミルガズィアは思わず声を漏らす。
「…俺、あんたのこの耳、好き…、だな……」
 そう呟き、甘噛みをしながら舌を耳に差し入れてくる。

 耳に入ってくるのはガウリイの舌だけではない。
 熱い吐息。
 濡れた音。

 そういったものが一緒になってミルガズィアの中に入ってくる。

 そのミルガズィアの視界の先では、長い金髪に覆われた肢体が艶めかしく揺れている。

『何の拷問だ……』
 目の前に美味しそうなものをぶら下げられながらも、自分からは手を出すなと言われているこの状況。
 多分、強引に手を出せば彼は拒まないのだろうが、それでは彼に負けてしまうような気がする。
『いや、手が出せない時点で負けてしまっているのか…』

 そんな思いをミルガズィアが巡らせている間に、ガウリイは身を起こしうっとりとした表情で自分が手をついているその胸を撫で上げた。
 眉を寄せるミルガズィア。
 その額にキスを一つ落として、ガウリイは身を翻した。
 そして軽く身を落とし、ミルガズィアに背を向ける形でその腰に座った。

「くっ……」
 急に訪れた直接的な刺激に、ミルガズィアは思わず声を漏らしていた。
 手早くズボンを取り払ったガウリイは、十分に熱くなっているミルガズィア自身を掴み擦りあげた。

「あんたの、相変わらずでかいな……」

 熱いし、と漏らされた言葉に、こみ上げてくるモノがある。
 その感情のまま、上半身を起こす。
「ちょ、ちょっと……」
 焦った声をあげて、前にずり落ちる体をミルガズィアの脚に手をつくことで支えるガウリイを後ろから抱きしめた。
「少し、黙ってくれないか………」

 一呼吸、二呼吸おいてからミルガズィアが目を開けると、そこには素晴らしい光景が広がっていた。
 己を掴んで、そして自分自身も勃たせ、ミルガズィアを戸惑いながら、頬を染めて見つめているガウリイ。
 ミルガズィア自身、自分が急に熱を帯びてより肥大したのが触らずとも分かった。
 そしてそれは触れているガウリイなら尚更のこと。

「…なに……、急に盛ってるんだよ……」
 そう零す憎まれ口も、勢いは全く無く。
 先ほどのお返し、とばかりに目の前にある耳を啄めば、肩がびくり、と跳ね上がるのがよく分かった。
 そして、息を吹き込むように囁く。

「なあ、お前が私に奉仕しているところを見せてくれ」



 水音を立てながら、ガウリイが身を攀じる。
 自ら行っているはずであるのに、まるで他人から与えられているものであるかのように刺激を甘受していいる。
「アッ…、や……」
 ガウリイの手に握られたガウリイ自身とミルガズィアの二本の竿は、どちらも蜜をこぼしながらガウリイの手の中で暴れる。
 もちろん、そこにはミルガズィアの意図した動きも含まれているが。
「…熱い……」
 などと恍惚とした表情で呟かれてしまっては、ミルガズィアの理性が崩落するのは簡単で。

「早く、これが欲しいか?」
 そう軽く腰を突き上げ囁けば、コクコクと頷く頭。
「では、奉仕はもう終わりか?」
 とミルガズィアが、自覚はあるが意地悪く尋ねれば、彼ははっとした表情を浮かべた。
 そして覚束ない足取りながらミルガズィアの上から床に降りると、ペタリ、と座り込んだ。
 ミルガズィアの脚の間に。

 そしてミルガズィア自身を掴むと顔を近づけて。
 僅かにためらった後、ペロリ、と先端を舐めた。
 生暖かく湿った感触がミルガズィア自身を這いまわる。
「……っ」
 滑らかに動き回る舌は、刺激を与えながらも、それは決定的な快感にはならなくて。
 より強い刺激を得ようと、ガウリイの頭を掴むと抵抗された。
「ちょっ……、あんたのでかいんだから俺の口には入りきらないって」
「……、ものは試しで…」
「い・や・だ!!」
 言葉と同時に少し強めに握られてしまっては、ミルガズィアには反論は出来ない。

 再びミルガズィアに口を寄せたガウリイは、今度は舐める以外にも咥えられる部分は口に含み愛撫をしていく。
 それと共に、流れる液体の量も増えていき、ガウリイの手や顔を汚していく。
 そしてそれはもちろんガウリイの口にも流れていった。
「ん……、はぁ、…なぁ、ガウリイ」
「……ヤダ」
 あっさりと返された答えに、ミルガズィアはもういっそ無理やり突き入れてしまおうかと思うが、ガウリイが顔を上げたので思いとどまる。

「それに、……そろそろ俺ももっと気持ち良くなりたいんだけど…」
 向けられた瞳は濡れて、情欲を訴えていた。

 途端、ガウリイの体は床から引っ張り上げられ、ミルガズィアの腕の名に納まっていた。
「ぉ…、んぁ……」
 激しく貪られる唇に、ガウリイは請われるままに口を開く。
 その状況になってしまえば、あとはミルガズィアの独壇場になるのは必至で。
 ベッドに沈められる直前、ガウリイはミルガズィアの耳元で囁いた。

「なぁ、服を、脱がせてくれよ……、あんたの体温を感じたい」





「…いっ…た……」
 日が昇り、軋む体に苦労しながら半身を起こしたガウリイの目に入ったのは、満足げに眠っているミルガズィアの顔と、サイドテーブルに置かれた糊がきいて綺麗に畳まれたシャツだった。
「いつの間に……」

「お前が気を失っている間にな」
「うわっ……、起きてたのかよ」
 この短時間だから洗ったのは間違いなく魔法でだろうが、畳むのはどうしたのだろう。それも魔法でしたのだろうか?それとも手で?
 手だったら、見てみたかった、などと呑気なことを後ろに狼、ならぬ竜が控えている状況で考えているガウリイだった。




おわり



 なんだか、私が書くミルガウって無駄に長くて、無駄にエロい気がする……。うちのミルガズィアさん手が早いから。
 この話も書き始めた時は2回ぐらいで終わらせるつもりだったんですよ。私が書いてる途中で悩んで止めちゃうからいけないんですけどね。
 そして、この話「姫はじめ」がテーマなんですよね……。今、何月でしたっけ(苦笑)
 ま、しょうがないですよね。今回は本作ってたし。ちゃんと完結したので、良しとしましょう!!


ブログにて2012年3月26日掲載

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