しょうご農園

和卵便り 139号

20187月1

やたらに忙しい季節です。田んぼ仕事、草取り、草刈り、そして野菜の収穫と管理。気持ちは高まるけど体はくたくたです。それにしても、この梅雨はたっぷり過ぎる雨。長雨でトマトとスイカに病気が発生して心配ですが、キュウリ、ピーマンなどは調子よく、食卓を潤しています。作物の出来具合に一喜一憂。そして合間の晴れ空で吹き出る汗。コッコとピヨも脇の下を開けて、かなり暑そうです。夏は始まったばかり。無理せず元気に乗り切りましょう!


就巣性コッコの保護施設

就巣性とは卵を抱いて雛を孵すための母性行動。卵を産まなくなるので人間はそれをなくしてしまいました。でも隠れた本能が蘇ることがあり、5月頃から産卵箱にこもるコッコが増え、今年は2つの群れから計26羽とかなり多いのです。空いている育雛舎に隔離すると10日くらいで就巣性は消えて、また産卵を始めます。卵不足が続いているので、コッコには苦労させています。



猪被害

猪被害が止まりません。毎晩出没し、養鶏場のあちこちに穴を掘り、道の土手を崩します。ミミズやカヤの根を食べ、さらに「泥浴」で土を掘り返すのです。朝、農園に行くと、被害のひどさに唖然とします。山の多様性の減少から、動物たちは美味しい餌のある人郷近くに生息域を変えています。害獣駆除を要請しますが、どこまで効果あるのやら。これからは私たち自らができる対策を考えねばなりません。野生動物と共存するには、本気の行動が必要です。



稲作2018 その2〜水田の美しさ

6月初め、仕上げの代かきをして、立派な苗を植えつけました。捕植作業の後、手動の除草機でコナギ取りを開始。そして畦草を刈るとすっきりきれいになって、伸び伸び育つ稲は風に踊ります。自然と調和する水田は、山里を飾る芸術作品です。無農薬、無化学肥料の米作り。秋のみのりに願いを込めて、稲の成長を見守っています。そしてこれから、2回目の除草を始めます!



笹サイレージ

放置された竹が山に広がる「竹害」は大問題。宮崎県ではそんな竹を細断して発酵させて「笹サイレージ」を製造し、飼料や肥料として活用しています。私はこれを稲作の除草目的で試してみました。田植前に土に混ぜ、発生する有機酸で雑草の発芽を抑制します。以前は竹パウダーや大豆を使いましたが、より安価な笹サイレージに期待をかけたのです。結果は上々。雑草は少なく稲の活力も上がっている感じです。地域の未利用資源の活用を応援します!



チベットの今 〜自分ならどうする

池谷薫監督作品の「ルンタ」を見ました。中国の圧政に苦しむチベットの現状を伝えるドキュメンタリー映画。深い信仰心から非暴力を貫き、最後の抵抗として、自らに火をつける「焼身抗議」で161名が亡くなっています(20186月現在)。映画は、どんな理不尽にも因果があり、行動してこそ真の慈悲であると、教えてくれました。自由を守るため、武器を取り戦う勇気とは正反対の非暴力の覚悟。もし私が、チベット人として生まれていたら、どうするだろう。豊かで平和な日本にいても、無関心ではいられません。

 

 

@2007 Shogo Sasaki All right reserved