あゆ

病室のとある部屋で意識をなくして眠っている少女。
少女の夢は幻となり、現実となる。

目の前で母を亡くしたあゆ。
目の前で大事な人を失った事のある主人公。
7年前…。
手の届きそうなところで、遥か彼方へと消えて行く記憶…

少女の通ってる学校。
主人公との再会を約束した学校。
7年前の事故。
7年後の姿。
今では、学校は大きな切り株へと豹変していた。
明らかに動揺する少女。
「もう、会えないと思うよ…」
少女は、消えていた…

「…ボクのこと、忘れてください…」
暫く会えなかったあゆ。
やっと見つけた探し物。
学校での再会の約束。
最後の願い。
そんな彼女を、壊れるくらいに抱きしめる。
そして、全ては幻へと…

…7年ぶりに意識の戻った少女。
7年ぶりの再会。
本当の再会。
ずっとこの時を夢見ていた…
奇跡は…起きた。

オマケ:佐祐理也。
男性には必ず敬語で話す佐祐理。
亡くした弟 −一弥− が、唯一例外だった。
正しく育てると言うのは「厳しくする事」。
厳しく接する事が「正しい事」。
それがそうでない事に気付いた時は…弟は既に居ない…

左手の傷。一人称が自分の名前。
佐祐理は、重いものを背負っている。
それが、舞と出会い、主人公と出会い・・・
昔望んだ姿と照らし合わせて行く…
今は本当に幸せ…

木にぶつかるあゆ。
その木から振ってきた雪から直撃をうける栞。
この事が、栞の歯車を狂わす事となる…

中庭にいる栞。
風邪の中、いつも学校の中庭に来る栞。
たとえそれが休日であっても…
「なぜ来ちゃたんでしょう… 私にもわかりません」
中庭は、姉との大事な約束の場所…

美坂香里。栞と同じ名字。
栞は、姉の存在を言う。ここの2年だと言う。
香里は妹などいないと言う。
同じ「美坂」…

香里からの突然の電話。
初めて口にする妹 −栞− の存在。
栞は次の誕生日 −2月1日− まで命がないという。
そんな栞=妹を見てられない。
妹なんて…最初からいないほうが…
「あの子、なんのために生まれてきたの…」

日増しに近づいて来る最後の日。
学校に来れるようになった栞。
たくさんの、ほんとにたくさんの思い出を作ろう。
どこにでも行って、なんでもしよう。
普通の女の子、「美坂栞」といっしょに。

「私、自分の手をカッターナイフで切ったことがあるんです」
あの時、栞と出会ってなければ…
あゆが木にぶつからなかったら…
あゆが食い逃げをしてなかったら…

「起きる可能性が少しでもあるから、だから奇跡って言うんだ」
偶然の重ね会いで栞と会い、栞を好きになった。
でも、その時は来てしまった…
誕生日のお祝いを言ったその後に…
「さようなら…」

春。
桜が舞っている。
そして…中庭では栞が待っている。
袋いっぱいのアイスを抱えて…
今までない、涙を見せ…
…やっぱり、奇跡はあるんだと思った。
また、似顔絵を…それは…やめとこうかな…
「そんな事いう人、嫌いです」

名雪

7年前に去ったこの街。
夢の彼方に置いた記憶。

「…ねぇ、私の名前覚えてる?」

7年ぶりに会う、いとこの少女 −名雪−。
7年前の冬以来、なんの連絡もとってない…
名雪からの手紙は来てたが…返事を出す理由がない…
…なぜだろう…

夢を見た。
冬。
雪ウサギを持つ少女がいる。
差し出す少女。
叩き落す少年。
明日の再開を願う少女。
その願いを断った少年。
…間違いない。
これが、この街での7年前の冬の別れ…

名雪の心の奥深くに閉ざされた気持ち。
それに、気付くのに7年。
長すぎたのかもしれない。
でも、そのかわりにこれからずっと俺が…

秋子さんへの不幸。
心を閉ざす名雪。
7年前の自分の姿。
約束の場所で会う約束をかわす。
借りてた目覚まし時計を返して。
その中のメッセージを聞いてくれることを願って…

その日も雪が降っていた。
あの時の場所。
ベンチに座って待つ。
…そして…「今日」が終わる…
あの時の名雪はこんな気持ちで…
「学校、さぼってる人発見」
「お前だってそうだろ」
「そうだね。だったら、おあいこ」
「そうだな…。これで、あおいこだ」
「…うん」

やっと名雪の力になれそうだ…

…桜舞う春。
もうあれから何ヶ月たったんだろう…
そうそう名雪。
頼むから目覚まし代わりに使うのだけはやめてくれ…

真琴

突如現れた、後に「沢渡 真琴」と名乗る少女。
主人公の事を、何故か憎んでいる。
かすかな記憶から思い出した「さわたり まこと」。
幼少の頃の憧れの人。3、4年上。
主人公が子供の頃飼っていた子狐。
しばらくして居なくなる。
それを必死に隠していた主人公。
全て見通していた秋子さん。
真琴との係りを嫌がる天野美汐。
しかし、彼女は全てを知っている…
ものみの丘の昔話。
昔話は昔話で終わらない…
子猫との出会い。
自分の境遇を照らし合わせる真琴。
次々に訪れる異変。
しばらくは原因不明。

すべてが線で繋がる。
真琴の最後の願いを叶えさせて…
その後間もなくしてやってきた別れ。
「…けっこんしたい…」

「空からお菓子が降ってくれば…」
「そんなバカな。」
「じゃあ、あなたなら、何をお願いしますか?」
「そうだな…」
…考えるまでもないだろう、そんな事…

最初に思ったのが「何故に『魔物』?」でした。
正直、あまりに突拍子だったので「何故? ???」でした。
後になって、魔物=舞が作り出したもの=舞自身というのがわかりました。
昔主人公(速攻デフォルメかけたので、名前覚えてません…)と出会った麦畑。
そこに突如現れた工事の機械=少女の舞から見た魔物。
そこにできた新校舎=主人公の通ってる学校。
少女の舞がチカラを使って生み出した魔物。
主人公といつまでも居れる事を願って生まれた魔物。
魔物は麦畑のあった場所=新校舎にいる。
魔物と舞は、10年も戦いつづけている。
魔物は主人公=唯一自分を受け入れてくれた人に引き寄せられる。
夜の学校。
主人公と舞は、10年前の記憶を思い出すことなく魔物と戦いつづける。
そして、ふとしたきっかけで魔物の姿を見ることができるようになる。
その姿に、10年前の麦畑が蘇る…
そして、舞は戦いに終止符を打つために、剣で自らの腹を刺す…
…少女の舞の声がする…
「だからよろしく。未来のまいを。」
魔物=少女の舞の力で舞は意識を取り戻す。
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後書き
 これってSSですか?(汗)
 半分、なりきり感覚で書いてみました。
 なりきり文章は楽しいかも…♪
 もし次回書くとしたら…もっと文章らしくします(TT)
 尚、このSS執筆に辺り、リーフさんのHP内の青紫さんのカキコ(?)を参考にさせていただきました。
 よかったら、感想なんぞを掲示板に書いてくださいね。

1999.8.28
BGM:Powder Snow