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「お前、もっとそいつと仲良くせなあかん」 ………… 「おーい! 委員長ー!」 「……」 「ったく、委員長。聞こえてんだろ?」 「……何?」 「いっしょ帰ろーぜ?」 「……遠慮しとく」 「そんな事言わねーで……」 「塾あるさかい。ほな」 「お、おい……」 ………… 「なんで、そいつがお前に話しかけてくるか考えてみ」 「そいつと話す事。それがお前に必要な事やないんか?」 ………… 「ほぉしぃなぁとぉもぉ……」 「き、聞こえとるっ!」 「なんだ、聞こえてんじゃねーか」 「……」 「な、いっしょ帰ろうぜ!」 「なぁ、うちに付きまとわんでってこの前言うたやろ?」 「うん? そうだったけな?俺は覚えてないけどな」 「……あんたらしいわ」 「てな訳でいっしょ帰ろーぜ」 「何度も言うとるけど、遠慮しとく」 「そんな事言わねーでさ。俺といっしょだと楽しいぜ?」 「……うちといるより、他の人といるほうがよっぽど楽しいんとちゃう?」 「そっかぁ? 俺は委員長といたほうが楽しいし、委員長も楽しいだろ?」 「……なぁ……」 「なんだ?」 「うちみないな女に付きおうても、何の得にもならへんよ」 「少なくとも俺はそうは思わねーけどな」 「……あんたらしいわ」 「な、だから一緒に帰ろうぜ」 「……遠慮しとくわ」 「わかったぜ。だけどもっと素直になろーぜ」 「な、何言うとるんや……!」 「はは、じゃーなー」 「……」 ………… 「おぉ、お前にしては凄い進歩やな。」 「そいつはお前のためになる。どんどん話して仲良ぅなる事や」 「……うん、わかった。」 ………… 「いいんちょー!」 「……またあんたかいな……あんたも物好きやな」 「へっへー、一緒帰ろうぜっ」 「……ええよ」 「……え?」 「帰るんやろ? 行くで」 「あ、あぁ……」 「なんや? 誘ったのはあんたやで。もっとバシッとせな」 「そ、そうだな、じゃ、行くかっ!」 「うん!」------------------------------
1999.8.28
BGM:Powder Snow