りーふふぁいたー99
第7回♪
何も言うまい(自爆)

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 既に今年も僅か。
 暦の上では既に冬に入ったというのに、まったく冬の気配がない。
「本当に今冬かよ? ちっとも寒くねぇよなぁ……」
 普通なら、もう初雪のニュースでも見てもおかしくない。
 しかし、最近のニュースでは、「例年より○度も暖かい」とばかり言ってる。
「藤田さんは、寒いのがお好きなんですか?」
 一人の少女が、笑顔で話しかけている。
「おっ、琴音ちゃん。 いっしょに帰るかい?」
「はいっ!」
 琴音は、ササッと浩之の横に付いた。

「……で、なんだったっけ?」
「藤田さんは、寒いのがお好きなんですか?」
「寒いの? 好きなわけねーだろ」
「えっ? でもさっき……」
「……ただ、やっぱり冬は冬らしくしてくれねぇとな」

 周りには、学生服を着てる人と来てない人が入り混じっている。
 今日も、11月とは思えない暖かさで、思わず汗が出てしまう。
「そうですね。 私も、この冬服は正直、チョット暑いです」
「じゃぁ、俺が脱がしてやろうか? ゲヘゲヘ」
「……ソンナ事言ウ人嫌イデス……」
「こ、琴音ちゃ……!」
 浩之はとっさに琴音との間合いを空けた。
「あ、危ねぇ……瞬獄食らうところだったぜ……」
 琴音の目は光り、まさしく戦闘モードである。
「琴音ちゃん、冗談だってば……」
「……ゴー、チャッピー! イッテイッテイッテ!」
 その掛け声と共に、無数の犬が浩之に襲い掛かってきた。

つづく♪

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