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ナマズが たべた
 あまだれを あつめる おおきな どかんに

たくさんの きんぎょを いれました。

 あるひ にほんのひげと やさしいめをもつ

おおきなナマズも いれました。

 ナマズは そこにしずんでしまったので

すがたが みえなくなりました。

 いつしか ナマズのことを わすれてしまっ

たのです。

 ちいさな あかちゃん きんぎょが いっぱい

およいで いますので きづきませんでしたが

じょじょに へってきたのです。

「なぜだろう」

 ふしぎに おもって かんがえました。

「あふれる あまみずに ながされたのかな」

 けれども かなあみが たてつけてあるので

ながされるはずが ないのです。

 あれは うすぐらくなった ゆうがたでした。

ナマズが ういてきて きんぎょを パクリと

やったのです。

「なんだ おまえが たべていたのか」

 でもでも なんだか にくむきには なりま

せんでした。

「ナマズだって なにかを たべなきゃ いき

ていけないからな」

 りょうりすれば ナマズが おいしいのは

しっていましたが すんでいたかわに かえし

てやることにしました。

「こんど つられてきたら たべちゃうぞ」

 ナマズは よろこんでいるかのように げん

きよく およいで さっていきました。





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著者  さこ ゆういち