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福祉住宅と上野原遺跡 
2003年10月3日 

 ピア・カウンセラーの研修ということで、ピアの皆さん方や関係

者の方々と鹿児島県姶良町に福祉住宅を見学に行って来ました。

都城市福祉センター前を午後1時に福祉バスとリフト車2台で出

発。てっきり国道を通って行くものと思っていたので「時間は大丈

夫なのかな」と、実のところ心配していたんです。なにしろ加治木

町の先にあるのですから。でもこれはいらぬ心配でした。知らな

かったけれど、都城市に隣接する鹿児島県末吉町から高速道路

ができていたんですね。で、それに入った途端、何年か前に隼人

町浜之市の漁港から見た光景が脳裏をかすめて、ちょっと嬉しく

なったのです。海の上を高速道路が開通していて、確信的に「そ

こを通るぞ」と、思ったからです。

 隼人町浜之市には父の実家あり、幼い頃から錦江湾で船釣り

に親しんできた思い出があります。父が他界するまでの長期間

に及ぶ思い出がです。10数年ぶりに漁港から見た光景には驚

きと共に溜め息を吐いたのを憶えています。高速道路は小島に

架けられているものとの錯覚があってのことです。確信は当たり

ましたが、高速道路は漁港の出入り口付近の上にあったのです

ね。でもそこを通った時の風景は期待を裏切るものではありませ

んでした。同時に「小島に架けられていなくって良かった」と、ホッ

としました。高校生の頃その小島でキャンブをしたことがあったん

です。ビナ貝を採ったり、魚を釣ったりしたので、なおの事そう思っ

たのかも知れません。

 左手に青く霞んだ大きな桜島を見ながら、やがて1時間ほどで福

祉住宅の展示場に到着しました。

 さて、その福祉住宅とはバリアフリー(物理的障害からの解放)

とストレスフリー(生活負荷からの解放)を考慮に入れて建てられ

た住宅です。一般的な住宅と異なる点は、まずすべての段差が無い

事です。これなら玄関、通路、各部屋、トイレ、風呂場、台所など、

どこへでも車椅子で出入りできます。見学したのは二階建てだった

んですが、ホームエレベーターがあり、身障者には便利にできてい

ました。その他、福祉機器や設備などの組み合わせにより、身障者

のみならず、介護者の負担まで軽くするいう配慮がなされていまし

た。まあーあの全部の設備は必要ないとは思うものの、確かに暮ら

しやすいだろうとは感じました。けれども現実問題としては、建築

するにしても改造するにしても莫大な費用がかかるでしょうから、

経済的に余裕があれば別ですが、個人で福祉住宅にするのは不可

能だろうという気がします。

 帰りに国分の上野原遺跡の展示館を見学しました。あの日、見た

り聞いたりした事はすべて有意義だったわけですが、あそこはまた

格別でした。ずいぶんと以前の事になりますが、【ちょっと冒険イ

ッシー君】という恐竜が主人公の童話を創作していたからです。で、

考古学や古代生物の本、地質学、類人猿から原人に関する本、遺伝

子学、進化論などに関する本と、まだまだ沢山あったと思いますが

読み漁りました。そうした事もあってか再確認した想いで感動した

んです。自分で創作したこととはいえ、まるでイッシー君の世界を

垣間見る想いがしました。


 
さこ ゆういち