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なぜか、私はシャーロックホームズのような探偵だった。 そして、ある殺人事件を追って森にやってきた。 しばらく森の中をさまよい歩いていると、目の前に直径一メートルは あろう大木が現われた。 その大木の前で立ち止まった「私」は、驚愕した。 なんと、その大木には、ひとりの少女が埋め込まれて いるではないか・・・。 目を閉じ、立ち姿のままで埋め込まれた裸の少女は、とても華奢だった。 何百年も生き続け、カサカサの木肌の年老いた大木の中で、少女は 髪の先から足の先までの全身が、色褪せた茶褐色に同化していた・・。 と、次の瞬間、全身に衝撃が走った。 大木に埋め込まれていたその少女は 9才の私自身だったのだ・・・。 |

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父が亡くなる数日前の夢だった。 見渡す限り雲一つない青空に、大きなしゃぼん玉が、ぽかり ぽかり、いくつも浮んでいた。 そのしゃぼん玉の中には、赤、黄、オレンジ色の名も知れない 色鮮やかな花がある。 しばらくの間私は、吸い込まれそうな美しい空の青さと、そこに 浮ぶしゃぼん玉を見上げながら、すがすがしい感動に浸っていた・・。 ふと、疑問が脳裏を横切った。 「しゃぼん玉の中に花なんて咲いているわけないよ・・」 と、地上に目を向けた。 すると、どうだろう。そこには、小さな花壇があった。 「そうっかー、この地上に咲いている花が、空に浮んでいる しゃぼん玉ひとつひとつの中に映っていたんだ・・」 父のお通夜の日、空ろな私の目に映った廻る灯ろうの花の絵は、 夢で見たしゃぼん玉の中の、あの「名も知れない花」だった・・。 |

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暗闇の中で、無数の光があった。 それは、街の灯かりでもなく、星の輝きでもなく、、、 オレンジ色を中心に色とりどりの光≠ェ目の前に浮んでいた。 「なんて、美しいのだろう」 この世のものとは思えぬ神々しい光を前に「わたし」は しばし、恍惚感に浸っていた。 そして、「わたし」は我に返り思った。 え!? 此処は、一体何処なの!? あ・・ 肉体がないっ! と、気づいた瞬間「わたし」は、悟った。 意識だけが、宙に浮いていることを・・・。 |
