ヴァルガウでギャグです。ちょいと続きます。
一日前
真剣な表情で向かうヴァルガーヴとリナ。
リナの表情に若干呆れが混じっているのは、しょうがない。
「1週間でどうだ!!」
「……」
(何が?)
「ちっ、ダメか…」
「……」
(放置していいかな〜)
相変わらず真剣な表情のヴァルガーヴ。対照的な呆れを表情の前面に出しているリナ。
「しょうがない、5日でどうだ!!」
「……」
(ここら辺で妥協しといた方がいいかな?しつこいし)
「…まあ、いいんじゃないかな。」
「そうか!!悪いな」
(えっ?あたし何か損するの?)
今までに見たことのない晴れやかなヴァルガーヴの顔に、リナの表情が引きつる。
(キモッ)
「じゃあ、明日から始めるぞ!!5日の内にガウリイを落としてみせるぜ!!」
「えっ!?」
早速準備だ〜、と走り去っていくヴァルガーヴにリナの手が届くはずは無く。
「ごめんガウリイ。何かミスった……」
リナの呟きは、ヴァルガーヴに奢らせていたケーキ郡の中に消えて行った。
前日end 2010.4.19掲載
1日目
「という訳で、俺はこの5日間で絶対にガウリイをモノにしてみせるぜ!」
「「「「…はいっ?」」」」
居るはずの無いヴァルガーヴが朝食の席にいて、急に宣言した言葉に、一名を除いて皆の声がはもる。
「…ごめん、昨日うかっり5日間ならガウリイ口説いてもいいって言っちゃった……」
そう謝ったのはリナで、ガウリイが心底嫌そうに、え〜、と声を上げる。
「意味も分かんないまま『5日間ならいい』って言ったら、ガウリイ口説いていいか?ていうことだったみたいで…」
申し訳なさそうに言っていたリナだったが、いきなり満面の笑みを浮かべた。
「まあ、口説かれてもガウリイが落ちなきゃいいのよ!!」
うわっ〜、と苦笑するアメリアに、ガウリイを憐れんでいるゼルガディス。そしてまだ状況が理解出来ていないフィリアの間で、ガウリイは深くため息をついた。
その横には、いつの間にかヴァルガーヴが陣取っている。
肩に回される手を払いながら朝食を取るガウリイ。
「なあ、食事が済んだらどこか行こうぜ。二人きりになれる所とか。」
ヴァルガーヴが横から何やら言ってくるが、無視を決め込み食事を続ける。
しばらくして状況が飲み込めたらしいフィリアが呆れた表情を浮かべた頃、ガウリイの忍耐の緒が切れた。
「お前、ウザイ!!」
それと同時に出された回し蹴りが鮮やかに決まる。
ドゴッ。
周りが、おおっ〜、と感嘆するなか、ガウリイの目の端に起き上がってくるヴァルガーヴが写った。
しかも何故か薄く笑いながら。
その笑いにガウリイは悪寒が走る。
「も〜、やだ、こいつ……」
ガウリイの受難は始まったばかり。
1日目end 2010.4.21掲載
2日目
初日のヴァルガーヴの猛アタックをゼルガディスの助け舟もありなんとか乗り切ったガウリイは、あと4日という期間に絶望しそうになったが、そこでもフォローを入れてくれたのはゼルガディスだった。
ちなみに、元凶とも言えるリナは玉砕していくヴァルガーヴと疲弊していくガウリイを見て爆笑しているだけだった。どうやら巻き起こしてしまったことはしょうがないと開き直り、この状況を心底面白がるつもりらしい。
そしてゼルガディスが1日目の終わりにヴァルガーヴに言ってくれたこと。それは、
「ガウリイを口説くのもいいが、場所と時間をわきまえろ!」
あ、口説くのはいいんだ…、と内心思わないではなかったが、そこはそれ、ヴァルガーヴを納得させるためにそう言うしかないよな、とガウリイも納得した。
そしてその発言によりガウリイはヴァルガーヴに、[部屋には入らないこと][食事中は口説かないこと]という約束をさせることに成功した。
おかげで昨夜は一応ゆっくり眠れたのだが。
今日は早速朝食を食べるために移動する間もヴァルガーヴは出現した。
「…昨日の約束、忘れてないよな」
「もちろん。でもまだ食事中じゃないだろ」
そう言いながらガウリイの髪の一房を取り口付ける。
その行動に悪寒を走らせながら、早く食卓についてこの状況から逃れようとガウリイの足が早まる。
「せっかくの朝のひと時なんだから、ゆっくり行けばいいのに」
そう後ろから掛かった声はもちろん無視。
なんとか無事に着いた食卓には先にアメリアが座っていた。
最初は笑顔だった彼女は、ガウリイとその後ろにくっついているヴァルガーヴに目をやると少し眉をしかめた。
「…お疲れ様です……」
「……うん」
とても朝とは思えない挨拶を交わす。
程なく全員が揃うと、ヴァルガーヴは隣の席に移り大人しくなった。
昨日は色々ヴァルガーヴにちょっかいを出されて思う存分食事が出来なかったガウリイは、朝から思う存分食事を楽しんだ。
「…で、いつまで食事してるんですかね」
彼らが食事を始めてからかれこれ2時間ほど経つが、まだガウリイは食卓に着いたままである。
ちなみに、ガウリイ以外の人は皆1時間以上前には席を立ちそれぞれ思い思いの事をしている。
「まだ食後のお茶を飲んでるんだ。もうちょっと待ってろ」
「それ30分前にも聞いた…」
はっきり言えば、ガウリイが引き伸ばし作戦に出ているだけだった。もちろん1時間以上前に食事自体は済んでいるが、食後のお茶を飲んでいると言い張って食卓を離れようとしないのだ。
ガウリイにしてみれば、食事中ということにしておけば口説かれることも無く平和に過ごせるので、姑息とは分かっているがつい引き伸ばしてしまう。
ヴァルガーヴはため息を着くと隣の席へと戻る。
その素直さに情が行きそうになるガウリイだったが、首を振る。
『ここで流されたら後で地獄を見る!!』
よほど昨日の出来事が堪えているらしい。
そんな中、ある者には悪魔の、ある者には天使の声が掛かる。
「お客さん、もうモーニングの時間が終わりですよ。いったん閉めて、次はお昼の営業になります」
「「!?」」
しぶしぶ席を立つガウリイと、その後ろを嬉々として着いて行くヴァルガーヴだった。
2日目end 2010.4.25掲載
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