不器用な囀り 2



「おい、……ガウリイ…」
「……、んぅ…」

俺の喉元をさ迷っていた指は、首に回され、今ではがっしりと俺をホールドしている。
気持ち良さそうな寝息が聞こえてくるが、それで俺が眠くなれるわけでは無くて。


責任は取って貰うぞ、ガウリイ。



宿に備え付けられていた寝巻きはフリーサイズで、ゆったり作ってあるから、こういう時は助かる。
服の間から手を入れ、柔らかくはないが滑らかな感触を楽しむ。

『………』
指にあたる違和感に、俺の指が止まる。

この前の傷跡だ。

広い傷では無いからじきに痕も消えるんだろうが。
この滑らかな肌に俺以外の奴が付けたものがあることが腹立たしい。

 俺は白い肌に赤い跡を残すために、肩口に強く吸い付いた。

「っ……、えっ…?」

さすがに目を覚ましたガウリイに、俺は何も言わせない為にその口を塞ぐ。
最初は嫌がるような仕草もあったが、次第にガウリイも俺に応えて舌を差し出してくる。
その口内を丹念に舐めあげると、口の端から吐息が漏れる。

「……んぁ、あ…」

 自分の体をガウリイの上へと移動させ、動きを封じられる体制を確保してから口を離す。
 銀の糸が二人を繋ぐ。

 ペロッ。
「!?」
 ガウリイの口から覗いた赤い舌が、艶めかしく動いて二人を繋いでいた糸は舐めとられた。
 その妖しい光景に一気に熱が高まるのを感じる。
「…ふっ」

 俺が声を漏らすと、ガウリイが目を細める。
 わざとしやがったな、こいつ。

 ガウリイの顎に指を添え、わずかに上を向かせてその喉元に舌を這わせる。
「ん…」
 呼吸のたびに喉と胸が滑らかに上下して、振動として俺に伝わる。
 それに自然と俺も息を合わせていく。

 肩で引っかかっていたガウリイの寝巻を腰まで引き下げ、露わになった胸にも舌を這わせた。
 どこに触れれば彼が善がるのか熟知している俺は、指で、舌で触れていく。
「……んぁ、…ふぁ………」
 身を捩じらせながらガウリイは、俺の頭に手を添える。まるで導くように。

『……』
 脇腹まで顔を動かしたところで、例の傷が俺に視界に入った。
 そして思うままに強く吸い付く。

「いったっ……、何するんだよ、ゼル!!」

 傷口を覆っていたかさぶたが若干裂け、微かに鉄の香りが口に振れる。
 それに構うことなく舌を傷口に触れさせると、ガウリイの体が強張った。
「ちょっ……」
「傷を受けたお前が悪い」
「……そんな無茶苦茶な…」

 そんなやり取りをしながらも、俺は愛撫の対象を脇腹から下へと移して行った。






「あぁ……イクッ…ぅ」
「…俺もっ……出る」

 俺の腰を挟んでいたガウリイの脚が、より強く俺を締め付ける。
 それは若干の痛みを伴うものだったが、それさえも今の俺には快楽を誘うもので。

「…ナカに…出すぞ……」
「えっ…、ナカはぁ、後が……、やぁっ」
 ガウリイが腰をずらそうとしたが、俺が腰を押さえている状況で動かせるはずもなく、俺の欲望に自らの内部を擦り付けることにながってしまった。
 跳ねる白い体。
 それを捕まえて、激しく挿入する。

「んぁああ……、やぁ…っ、イクぅ」
「あぁ……、んっ、クッ…」
「…んっ、あっ、あっ……ぁ。やぁあ………ん」

 ベッドに沈むガウリイの上に、俺も凭れる。
 ガウリイの胸に耳を当てていると、鼓動が耳に響いた。
 そして口づけでもして、中に出されて悪くなっているであろうガウリイの機嫌を取ろう、と体を起こす。
 その時目に入ったのが。


 ズクンッ。


「…え……?」
 余韻に浸って目を閉じていたガウリイが、俺をキョトンと見上げる。
 今の俺にその視線は煽られているのと同じで。

 再びガウリイの腰を抱えた。
「え……っ、ちょ、ちょっと……ぁ、まだ、だめぇ」
 頭を振っているが、そんなことには構わず。
「そんな跡を残しているお前が悪い」

 ズンッ。
 グチュ。

 先ほど出した俺の白濁が結合部分から溢れてくる。
「あっぁ、や、…まだ、感じ…過ぎる…からぁ………、だめぇ」
 確かに、さっきよりナカがうねって、俺もすぐに一杯に張りつめる。
ガウリイが弱々しく足をバタつかせている。


「…いいじゃないか。俺に善がり狂えばいい」


「!?」

 動きの止まったガウリイの左胸に唇を寄せる。
 ヒクリ、と動く喉仏。

「痛っ……、ゼル!!」
 白い肌に散る赤い花弁。心臓の動きに合わせてガウリイの胸で息づいていた。
「跡が残っちゃ…、やぁあああっ…、んぁん…」
 ガウリイが抗議の声を続ける前に、ナカを抉った。

 仰け反った後に弛緩した体は、ガウリイが絶頂を迎えたことを表わしていて。

 その体を俺は堪能する。
「も、あ、ああぁん……。やぁあん。壊れるぅ………、んぁ…」


「やぁ、もう、んあ……ぁ、アッ」
 空を掻く足を捕まえ、その付け根にも唇を落とす。
「ふぁあああん。ダメぇ、深すぎ!!くぅ……ん」
 体を沈めて、二の腕に舌を這わせる。

「また、イクッ、いっちゃ……、んっ…ぁあ…」
「くぅ…!」

 無数の花びらに包まれた肢体は、俺の腕の中で咲き誇った。






「……………」
「………、その……」

 ギロッ。

「……すまなかった」
「……」

 その後数日間、ガウリイの怒りが収まることはなかった。



終わり



 う〜ん、ほんとエロばっかりになってしまった。
 でもゼルにはガウリイをガンガン攻めてほしかったんですよね。どうしても他の人より押しが弱いイメージがあるので。
 そして行き過ぎて怒られる、と。
 あ〜、うちの攻めキャラパターンですね…。

ブログにて2011年5月29日公開



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