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よく噛むことの効果(2011.10.14.)

  

既知情報だと思いますが、よく噛んで食べることの大切さを再認識したのでご紹介致します(よく噛むことは簡単ではないですけど・・・)。   

  

長い食の歴史で、よく噛んで食べてきた習慣を突然やめると、様々な影響が現れますが、直ちに見られるのは「歯の変化」です。   
  
歯科医によると、乱ぐい歯や上下の歯の噛合せの悪い子供が増えているとのこと。
軟らかい食べ物ばかりを食べるので、強く噛まなくなったのがその原因です。
実際、軟らかいものばかりを噛まないで食べていると、特に成長期の子供たちの
場合、歯がしっかり固定せず、グラグラになることは、犬の実験でも証明されて
います。

しかし、このことに気付いているお母さん方はほとんどいないのではないでしょうか?
子供に「よく噛みなさい」と注意するお母さんもあまり見かけません。
そもそも歯ごたえのないものを与えておいて、「よく噛みなさい」と言えないですし、既に母親自身が噛まない世代に属しています。

ですが、少しでも早くお母さん自身がこのことに気付くべきです。
そして食べ物をよく噛ませるために、親として何ができるかをもっともっと考える必要がありますが、何ができるのでしょうか・・・

実は、ちょっとした工夫で、子供たちにもっとよく噛ませることができるのです。
例えば、歯ごたえのある食材を選び、料理するとき、肉や野菜などを少し大きめに切ったり、かりかりに炒めたベーコンをふりかけたり、ピーナッツやレーズンを入れたり、粒のままのゴマを使う等の、ちょっとしたアイデアで子供達は少しずつ噛む習慣を身につけることができるのです(参考サイト)。

ところで、噛み方が悪いと、歯並びや顔の筋肉のような美容(ゆがみ顔)に関することだけではなく、もっと重大な健康上の問題が起こってしまいます。

噛む筋肉は、首や肩の筋肉と密接に連動しているので、噛み方が悪いとそれらの筋肉がアンバランスになり、筋肉が硬直したり、神経や血管が圧迫されたりします。
その結果、首や肩の凝り、眼精疲労、偏頭痛などの原因となり、ひいては身体全体の健康障害まで引き起こすこともあります。

身体全体の健康障害まで噛み方が影響するなんて、そんな馬鹿なと思われるかもしれませんが、噛まないと、唾液の分泌が不十分となってしまいます。
実は、唾液の分泌量が減ることにその秘密が隠されているのです。

そのことについて、以下簡単に説明していきます。
生活習慣病の直接の原因は、活性酸素にあることが明らかになっています。そして、唾液が、現代の食品に含まれる有害物質の毒性を抑えることが分かっています(例えば、発癌物質への作用、変異原性を打ち消す働きがあります)。

そのメカニズムは、食品添加物や残留農薬などの人工化学物質(有害物質)が体内や細胞内で活性酸素を発生させるのですが、有害物質から生じる活性酸素を唾液が消去するのです(活性酸素は、私たちの健康のあらゆるところで重大な悪影響をもたらすものとして注目されています。特に動脈硬化、糖尿病、心臓病、肺気腫、白内障など、生活習慣病の主原因であることが指摘され、さらに老化にも密接に関係することが判明しています)。

この素晴らしい唾液の働きは、軟らかい食べ物を噛まないで食べていると、唾液の分泌が不十分となり活用できなくなってしまいます。

ほかにも、
◆虫歯や歯周病にかかりにくくなる効果に加えて、若返りホルモンも含まれてい
るので、老化を遅らせ、若返りにも効果があります
◆よく噛むと、自律神経系もよく働き、体熱放散もスムーズに行われるのでダイ
エット効果もあります(満腹中枢も刺激されるのでより早く満腹感を感じるこ
とにもよります)
◆免疫力も高まります
◆顔のたるみ、むくみ、二重あごなどの原因は、顔の筋肉、特にあごの筋肉の
運動不足にあるので、よく噛むことで、その予防にもなります
など、よく噛んで十分な唾液を出すことによる効果は非常に大きなものがあります。   

  

(補足)    
●咀嚼回数の変化   
弥生時代と比較して約 1/6、戦前と比較しても1/2 以下と激減しています。   
  
●子供の歯並び、噛合せ異常の原因の一つは、親の無関心と理解不足   
乳歯が生え揃う 2~3 歳の子供を見ると、歯と歯の間に全く隙間がないという、   
昔では考えられなかった現象が生じています。隙間がないと大人の歯が生えてき   
た時に、歯並びが非常に乱れます。   
柔らかい食べ物ばかりの食生活では、噛む力がつかないばかりか、噛むことその   
ものが下手になってしまいます。顎が発達しないために口そのものが小さく、口   
の中のボリュームが少ない為に舌が喉を圧迫します。   
そのせいで酸素を十分に脳や体内に取り入れることができなくなり、いつでも疲   
れたような状態になってしまいます。酸素不足によって、小児喘息やアトピー性   
皮膚炎、偏頭痛などが起きやすくなり、自律神経系も弱くなっていきます。   
体力(免疫力)も精神力もない子供になってしまうというわけです。   
また、噛むことが下手な子供は、脳の発達が遅くなることも分かっており、 理   
解力、創造力、積極性に欠ける為、学校や塾での勉強が身につきにくくなりま   
す。   
このような子供が増えている原因の一つは、親の無関心と理解不足です。子供の   
歯並びや噛み合せについてあまりに感心が低く、勉強不足です。   
  
●食べる時の姿勢も大事   
食事の時の姿勢で大切なのは、背筋を伸ばして座ること、両足をしっかりと地に   
つけて食べることです。   
ものを噛む、咀嚼することは運動です。運動は作用・反作用で力が出るわけです   
から、口でものを咀嚼するためには、それを支える力、反作用の起点が必要にな   
ります。   
それが足です。床をしっかりと踏みしめることで、噛む力を逃さずにしっかりと   
噛むことができるのです。   
幼児期に足をぶらぶらさせた状態でものを食べていると、しっかりと噛めず、   
嚼能力が著しく落ちるというデータもあります。   
早くから大人用の椅子を使用して食べさせるよりは、子供用の補助椅子に座らせ   
て両足をつけておいた方が噛む力がつきます(椅子が高くて足が床に届かない場   
合は、足を置ける台を用意してください。足が宙ぶらりんになった状態では身体   
が安定しない為、物を噛むときに力が入りません。身体が不安定だと重さ 5キロ   
もある頭を支えきれず、猫背になってしまいます。また、猫背で身体が不安定な   
状態で食事をすると、歯が動いたり、顎がずれたりしやすくなります)。   

     

(参考書籍)   
・噛めば体が強くなる(西岡一著)2003年   
など   

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