トピックス(健康関連)
誰でも簡単に続けられる「腰割り」(2017.02.05.)
【はじめに】
体を動かさなくなった現代人は、「股関節」が必然的に固まりやすく、その結果、老化がどんどん進みます。しかし、誰もが毎日ウォーキングしたり、ジムに通ったりできるわけではありません。そこで、時間がなくても、また多少不調があっても簡単にできる有効な体操が、この「腰割り」です。筋肉を鍛えるだけでなく、筋肉を使えるようにする体操なので、やりながら改善されていきます(90歳過ぎまで活発に活動された舞台女優の故森光子さんの元気の秘訣でもあったようです)。なお、筋力の少ない女性や高齢者でも無理なく安全に行えますが、
◆先天性股関節脱臼を持っている方
◆脱臼直後の方
◆骨粗しょう症で頸部骨折した方
など股関節に不安を抱えられている方は、実施をお控えください。
【股関節について】
股関節は体の重心のほぼ左右に位置しています(股関節は外から見える位置になくて、内部にあります)。その股関節周りの筋肉は、体の重心を安定させ、姿勢を保ったり、体を動かしたりするうえで、休みなく重要な働きをしています。
しかし、この股関節周りの筋肉が衰えると、重心がぐらつき、全ての運動がスムーズにできなくなり、腰や膝や肩など各部に余計な負担をかけることになります。
その結果、腰痛、膝痛、肩こりなどを引き起こすことにもなるのです。特に中高年になると、この大事な股関節周りの筋肉の衰えが進みます。
昔から「老いは脚から来る」と言われているとおり、脚の筋力は20歳ごろを境に“上半身の2~3倍の速度で”落ち続けていきます。厳しい現実ですが、どんどん衰えるのです。
加齢の進んだ衰えた筋肉は、使われないでいると血行が悪くなり、酸素や栄養分が行きわたらなくなります。そうなると、本来持っている力を発揮できなくなって、どんどん機能低下が進みます。また、筋肉の血行が悪くなると、老廃物も排出されずに滞ってしまいます。特に股関節周りの筋肉は、数が多くて、しかも大きいものばかりですから、ここが衰えると不調への影響も大きいのです。
【腰割りについて】
そこで「腰割り」です。
「腰割り」は、股関節周りの筋肉を無理なく効率的に鍛えることができる大変優れた運動です。ウォーキングやジョギングだけではあまり動かすことができず、普段は眠っている“インナーマッスル”(深層筋)なども動かせるのがポイントです。
腰割りは、立った姿勢から脚を左右に開き、膝を曲げて腰を下ろして上げるだけの簡単な運動です。
詳しくは“徹底解説!腰割りのやり方”をご覧下さい(あるいは参考書籍などを)。
≪実施時のポイント≫
◆上体をまっすぐにして背筋を伸ばす
(上体を前傾させてしまうと、腰を痛める危険があります)。
上体をまっすぐに保ちながら、“ゆっくり”下ろします
(リズムが早すぎると鍛えられません)。
このとき、お尻が後ろに突き出ないように下ろします
(突き出ると、腰や背中を痛める原因になります)。
腰を落とした状態で1秒キープして(キープは慣れてからでOK。効果がアップ
します)、ゆっくりと上げていきます(1,2で腰を落として3で1秒キープ。
4、5で腰を上げていきます。つまり1回行うと5~6秒です)。
その時の呼吸も大事です。人間は息を吸うとき、多少筋肉が緊張します。その
状態では腰割りの最大効果を望めませんので、“息を吐きながら”リラックス
して行います。具体的には、腰を下ろす前に息を吸い込み、息を吐きながら下
げて、上げて元に戻ります。
以上をまとめると、「ゆっくりしたリズムで息を吐きながら」行えば、腰割り
の最大効果を得られます。
◆つま先を約45度外側に開き、膝を“つま先方向に一致”させるように曲げます。
つま先は無理に開く必要はありません。大事なことは、膝とつま先の向きをそ
ろえることです。
◆丹田(へそ下約9cmのお腹の中)に力を込めながら行うと、本来の腰割りの効
果を見込めます。
可能な人は、腸腰筋などのインナーマッスルを意識して行ってください。
いずれも難しい方は、その部分に相当するお腹と背中側に手を当てながら
行うと意識できます。
≪注意点≫
◆不調を抱えられている方は、以下のステップで実施ください
(「白木式コアトレベーシックメソッド」より引用)。
[ステップ①]・・・・・イスを使った腰割り(P.43)
[ステップ②]・・・・・浅めの腰割り(P.38)
[ステップ③]・・・・・深めの腰割り(P.40)
[ステップ④]・・・・・フルバージョンの腰割り(P.44)
*ステップ①が実施できない方は、寝た姿勢でやる股関節体操を実施ください
(「腰割りで体が若返る」P.84~)。
◆1日、1分間を継続しましょう(毎日が無理なら2日に1回、3日に1回からで
OK)。なお、一度に何十回も行う必要はありません。5~10回程度で十分に
効果が出ます。回数を増やしたとしても最高50回を目安にしてください。
10回行えば約1分です。
◆腰割りを行う時間帯は、特に指定はありません。
◆筋肉痛が生じてくる場合、無理をしない程度に続けてください。
なお、筋肉痛の場所が太ももの前面、内もも、お尻なら問題はありません。
ふくらはぎや膝のお皿の部分が痛い場合は、腰割りのやり方を間違えています
ので、改める必要があります。
≪効果≫
腰割りの三大効果は、「運動能力向上」、「姿勢改善」、「新陳代謝向上」
それらが関わる、ダイエット、睡眠の質アップ、冷え性、肩こり、腰痛、膝痛、便秘、尿漏れ、重心バランス安定、生理痛などに効果があります。
(参考書籍)
●腰割りトレーニングに隠されたすごい秘密(元一ノ野著)2010年
*7冊ほど読んだ中で、理屈、体操について一番詳しく書かれています。
●白木式コアトレベーシックメソッド(白木仁著)2011年
*体操のポイントがごくごく簡潔に記載されています。やり方だけ知りたい方に
おすすめです。
●腰割りで体が若返る(白木仁著)2014年
*理屈、体操のポイントが簡潔にまとめられています。どれか一冊読むなら、
これがおすすめです。