田中整体療院

トピックス①(健康関連)    

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お腹に増殖するカビ(2018.11.11.)(2019.09.22.更新)

  

実は、どんなに健康な人でも、お腹の中にカビはいます。   
ただし、その割合は、健康な人ならわずかで、通常は1%前後とされています。   
しかし、このカビが、さまざまな理由によって、異常にふえることがあります。   
すると、下記のような症状が起こってしまうのです。   
◎「食後、異常におなかがはる、ガスがたまる、眠くなる」   
◎「すぐ甘いものが欲しくなり、買い物に行くと、知らず知らずかごにパンや   
甘いものを入れている」   
◎「頭がボーっとして集中できない」   
さらに、便秘・下痢・腹痛、慢性的な皮膚トラブル、頭痛、関節痛、記憶力の低下、倦怠感、抑うつ、肛門や陰部のかゆみ、生理前の不調などの原因となることもあります。   

  

以下詳しく見ていきます。   

  

まずは、あなたの「おなかのカビ危険度」(ここをクリック!)をチェックしましょう。   
甘いものが異常に好きな人は、お腹にカビがいる可能性が高い傾向にありますが、当てはまる項目がありますでしょうか。   
<A>に当てはまる項目があり、かつ<B>に1つでも当てはまれば、お腹のカビによって健康が害されている(<A>の症状がお腹のカビによって起こっている)可能性が高いと言えます。   
その場合、<A>の項目が多いほど、お腹のカビの増殖の度合いが大きいと考えられます。   
  
気になる結果が出た場合は、以下読み進めて頂ければと思います。   

  

************************************************************   
1.【お腹のカビが増える理由】   
2.【お腹のカビが及ぼす影響】   
3.【カビの増殖によって、起こりうる症状や関連性が疑われる病気】   
4.【身の回りを取り巻くたくさんのカビに注意】   
5.【カビ毒がもたらす健康被害】   
6.【カビを増やさない食事・減らす食事の6大ポイント】   
(補足情報①)遺伝子組み換え食品は「食べる抗生物質」   
(補足情報②)ダイオフ現象に注意して過激なやり方はしない   
(補足情報③)小腸に異常な数の細菌が増殖するSIBOに注意   
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1.【お腹のカビが増える理由】   
①抗生物質(抗菌薬)の乱用   
これが最大の要因です。詳細は書籍をご覧ください。   
  
②甘いものの摂り過ぎ   
お腹のカビが過度に増えると、無性に甘いものや炭水化物が欲しくなります。そのため、益々それらを過剰にとるようになり、悪循環に陥ります。   
また、発酵食品の摂り過ぎも、カビを増やすことがあります。腸の働きが弱っている人や、すでにカビが増え始めている人が多量に摂ると、カビの増殖を促してしまうのです。   
  
③日本の気候と住居   
現在では気密性の高い家が増えた結果、カビが発生しやすくなっています。住居に発生したカビを、私たちは知らないうちに吸気や食物と共に取り込んでいます。それもまた、体内でカビを増やす一因になっています。   
  
④遺伝子組み換え食品   
補足情報①をご覧ください。   
  
⑤ステロイドやピルなどのホルモン薬(環境ホルモンも) など   
  
以上に挙げた中で、異常に増殖する最も大きな要因が、「抗生物質の乱用」ですが、他にもピルやステロイドといったホルモン剤を常用したり、感染症を繰り返したりして、免疫が異常な状態になっていると、カビが異常に増殖しやすくなります。   
カビが異常に増殖すると、腸内細菌の働きが低下し、免疫力が落ちることになります。すると、益々カビが増殖しやすくなるという悪循環が生じます。   
すると、本来は無害な酵母でさえ、病気を起こす危険性があります。   

  

2.【お腹のカビが及ぼす影響】   
お腹のカビの怖いところとして、大きく次の6つがあります。   
①腸の炎症を引き起こす   
(腸の守りを弱くして、リーキーガット症候群を招く)   
  
②様々な有害物質を発生させる   
(アルコール)   
めまい、頭痛、吐き気、下痢、ゲップ、感情の起伏の変化などが起こりやすくなります。   
  
(アラビノース)   
糖の一種で、タンパク質の変性を起こし、神経の変性を起こしたり、酵素活性が低下して代謝や様々な回路に滞りが生じます。変性したタンパク質が増えると、自己免疫疾患や炎症も引き起こされやすくなります。また、別の有害物であるシュウ酸も作り出します。   
  
(シュウ酸)   
増えすぎると、結石になります。マキビシのように先がとがっていて、関節や血管内でできると局所の痛み(腹痛、頭痛、関節痛など)を起こします。また、ミネラルとくっついてしまうため、ミネラル不足を招く原因にもなります。   
  
(酒石酸)   
エネルギーを生み出すためのクレブス回路の邪魔をするため、「疲れやすい、頭が働かない、筋肉が動かせない」といった症状が起こります。   
  
(グリオトキシン)   
免疫系に対して毒性を持つ物質です。また、体内にグリオトキシンが増えると、抗酸化作用を示すタンパク質の活性が低下します。すると、活性酸素の発生と増加が促され、動脈硬化やガン、老化促進のリスクが高まってしまいます。   
  
(マンナン)免疫を抑制する。   
  
(アセトアルデヒド)ビタミンB6の働きを失わせる。   
  
(マイコトキシン)ミネラル不足を引き起こす。   
  
③低血糖を引き起こす   
お腹にカビが増殖している人は、摂取した糖質をカビに横取りされることになり、異常な低血糖を起こしやすいのです。   
お腹にカビがいる人の低血糖は、多くは慢性的なもので、低血糖によって、甘いものを欲するようになります。お腹のカビが糖質を求めているため、いわば脳を乗っ取られたようになって、甘いものへの強い欲求が起こるのです。   
  
④免疫(体の防御機能)のトラブルを起こす   
お腹のカビのなかでも、カンジダ感染のある人は、体内にカンジダに対する抗体ができてしまうことがあります。   
抗体は免疫細胞によってつくられ、異物や病原体を攻撃する武器の役目をするものです。ところが、カンジダに対してつくられた抗体は、困ったことに、自分自身の脳や腎臓、膵臓、胸腺、肝臓などの組織に対しても反応することがあるのです。   
さらに、注意が必要なことがあります。   
カンジダに対する抗体ができた人は、パンなどに含まれる小麦のタンパク質(グルテン)にも反応します。   
逆もしかりで、小麦に対して抗体を持つ人は、カビに対しても反応してしまいます。つまり、小麦に過敏性のある人は、カビに注意しなければなりませんし、カビに抗体を持つ人は、特に小麦製品に対して注意しなければなりません。    
ちなみに、お腹にカビがいる人は、パンやケーキ、ピザ、クッキーが好きで、異常に食べたがる人も多く見られます。お腹のカビにとって都合がいい食品であるために、「体がそれらを欲するようにさせられている」ともいえます。   
まとめると、カビと小麦食品は、ともに体の組織に悪さをするのです。お腹のカビ退治に取り組むときには、同時に小麦製品を控えることが大切です。   
  
⑤鉄欠乏性貧血を起こしやすくなる   
カビは甘いもののほか、鉄をエサにしやすく、しかも腸に炎症を起こして鉄などの吸収障害を発生させます。ですから、お腹にカビがいると、鉄欠乏性貧血を起こしやすい。   
  
⑥様々な悪循環を起こす   
感染症を起こしやすくなる、睡眠トラブルを招く、自己免疫疾患や生殖器疾患、慢性疾患を合併しやすくなるなどの悪循環が生じる。   

  

3.【カビの増殖によって、起こりうる症状や関連性が疑われる病気】   
病院では「異常なし」と言われることが多いですが、なぜかと言いますと、これは血管内に入り込んでいる感染症ではなく、腸管内でのカビの異常増殖だからです。   
カビはあくまでも、腸内にいながら悪さをしているので、血液検査で病原体を培養したり、抗体価を測ったりしても、なかなか陽性にならず、「原因が分からない」とされてしまうのです。   
しかし、実際のところは、お腹のカビの増殖によって、起こりうる症状や関連性が疑われる病気として、以下のように様々なものがあります。   
  
[化学物質過敏症]   
化学物質にさらされると、目の痛み、鼻づまり、かゆみやイライラ、頭痛、めまい、筋肉痛や関節痛、精神神経症状などが出現する。   
  
[自閉症や統合失調症]   
自傷行為、空笑、癇癪、てんかん、つま先たち歩き、手をひらひらさせるようなしぐさなど   
  
[消化器症状]   
下痢、便秘など   
  
[女性の疾患]   
月経前症候群、生理不順、皮膚トラブル、顔の湿疹、倦怠感、イライラ、不妊、抑うつ、頭痛、性交痛など   
  
[男性の疾患]   
勃起障害、前立腺炎、いんきんたむしなど   
  
[自己免疫疾患]   
クローン病、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、多発性硬化症など   
  
[低血糖症]   
消化器症状、心臓や呼吸器の症状、精神神経症状、皮膚や筋肉の症状など多彩   
  
[精神疾患]   
パニック症候群、うつ病、統合失調症など   
  
[アレルギー疾患]   
アトピー性皮膚炎、喘息、食物アレルギー、花粉症など   
  
[栄養吸収障害]   
皮膚や髪のトラブル、成長障害、再性能の低下など   

  

4.【身の回りを取り巻くたくさんのカビに注意】   
[食品]   
上記チェックリストなどで、お腹のカビが多いことが疑われる場合は、カビの生えた食品をとらないように注意するのはもちろんのこと、本来は体にいいキノコや発酵食品も大量にとることは避けましょう。   
特に、パンやチーズ、麹漬けの食品、ビール・ワイン・日本酒・甘酒といった飲み物などは、好きな人は大量にとることがあるので要注意です。   
パンなど、製造過程で焼く食品は、カビは死滅するから大丈夫だろうと思われるかもしれません。しかし、焼いてカビそのものが死んでも、それらが残す毒や菌体はそのまま存在し、お腹のカビの増殖の助長要因になるとともに体に害を与えます。   
なお、カビが出す毒は、総称して「マイコトキシン」と呼ばれ、多くのものが知られています。   
発酵食品でなくても、外国産の果物やフルーツジュースは、保管や輸送中にカビが生じやすいため、カビやマイコトキシンを含む恐れがあります。   
他にも、カビやマイコトキシンが生じやすい食品としては、以下のようなものがあります。   
*特にカビが発生しやすい食品   
トウモロコシやコーヒー   
小麦   
大麦   
砂糖   
ナッツ類   
アルコール   
綿実油   
チーズ   
バナナやパイナップルなど外国産の果物   
これらすべてがいけないわけではなく、保管や輸送の状況、購入後の管理や食べるまでの期間などによっても危険性は違ってきます。   
しかし、少なくともお腹のカビが疑われるときは、これらの食品は避けるか控えめにしたうえで、摂るときには良質なものを新鮮なうちにとりましょう。   
なお、マイコトキシンは、100度以上に加熱しても消えません。   
特に、「体のために」と、無農薬やオーガニックの食材を買っている場合、防腐剤や防カビ剤などを使っていないので、カビやマイコトキシンが生じやすいものです。きちんと保管して早めに食べましょう。   
  
[住環境]   
お腹にカビが異常増殖している時は、住環境にいるカビにも過敏になることがよくあります。   
特にカビが発生しやすい住環境としては、以下のようなものがあります。   
・風呂場や洗面所、キッチンなどの水回り   
・クローゼットや引き出し   
・布団やベッド   
・カーペットなどの敷物やソファーなど   
・古い家具や本、雑誌、新聞、家の壁など   
・花瓶や観葉植物など   
・川や海、谷にある家   
・地下室や倉庫   

  

5.【“カビ毒”がもたらす健康被害】   
カビ毒が様々な健康被害をもたらします。   
例えば、クロカビと呼ばれるもので、住居にも、ナッツ類などの食品にも生じます。   
そして、咳、体を動かした時の呼吸困難、胸が締め付けられるような感覚、喘息様症状などの呼吸器症状を起こすことがあります。   
これらのマイコトキシン(カビ毒)は、遺伝子のDNAやRNAと結合し、細胞のサイクルを止めて細胞分裂を障害します。   
その結果、   
ミトコンドリアの機能障害   
タンパク質の合成阻害   
活性酸素を発生させる   
細胞膜の障害、細胞に有害なものを入れてしまう   
免疫の刺激・抑制、炎症などを引き起こす   
などの害が報告されています。他にも、マイコトキシンは全身の様々な症状を起こします。   
現在、原因不明の病気の中には、マイコトキシンによるものもあるはずと言われています。   

  

6.【カビを増やさない食事・減らす食事の6大ポイント】   
①甘いものを控える   
カビの大好物である甘いものは、しばらく(1ヶ月ほど)控えましょう。   
どうしても甘いものが摂りたいときには、代用品として血糖値を上げないステビ   
羅漢果などをとるといいでしょう。   
  
②炭水化物を減らす   
甘いものだけでなく、パンや麺類等の炭水化物も、カビの好物で、えさになり   
ます。   
ただ、全部の炭水化物をやめる必要があるかというと、そうではありません。   
米やイモ、ソバなどは、比較的安心してとれる炭水化物です。とはいっても、   
米の場合は、完全に精白したもの、粉にしたもの、もち米は、やはりカビが増え   
やすくなります。そのため、分づき米雑穀米などをお勧めします。   
また、カビが異常に多い人は、カビが死ぬときに、なかに蓄えている毒素を大量   
に放出されるせいで、体調不良を引き起こすことがあります(ダイオフ現象;   
補足情報②参照)。米やイモ、ソバなどで適度に炭水化物をとり、徐々にお腹の   
カビ退治を行うのは、ダイオフ現象を防ぐには、むしろいいと言えます。   
まずは、カビを殺すより、ふやさないこと。そして、徐々に減らしていくことで   
す。急激に抗真菌薬などでカビを殺そうとしたり、抗カビ作用のあるサプリメン   
トをいきなり大量に摂ったりするのはやめましょう。   
  
③GMO(遺伝子組み換え)食品や添加物を避ける   
  
④質のいいタンパク質や新鮮な無農薬の野菜を摂る   
お腹のカビが多すぎると、食物繊維を摂っても、炭水化物としてカビに利用され   
てガスを発生し、お腹が張ってしまうことがあります。そんな時は、繊維を除い   
たジュースを飲んだり、サラダはボウル一杯でなく、小鉢一杯程度を食べたりし   
ましょう。併せて、あまり発酵食品を摂り過ぎないように注意してください。   
腹の張りが強い間は、共に控えめにしておきましょう。   
  
⑤ローテーションを考えて食べる   
毎日同じものを食べないことも大切です。好きで続けて食べたいものも、3日に   
一度程度は空けましょう。そうすることで、自然に栄養バランスが取れるととも   
に、食品の持つリスクも分散できます。   
  
⑥カビの生じやすい食品は避ける(上述の項目4の[食品]をご覧ください)   
トウモロコシ、コーヒー、小麦、大麦、砂糖、ナッツ類、アルコール、チーズ   
や、バナナ、パイナップルなどの外国産の果物は避ける。   
ビタミン、ミネラルの錠剤やサプリメントをやたらにとるのはやめる。   

  

(補足情報①)遺伝子組み換え食品は「食べる抗生物質」   
遺伝子組み換え(GMO)食品も、お腹のカビを増やす要因になります。   
GMO食品は、一見、お腹のカビと関係なさそうに思えるかもしれませんが、実は深い関係があります。   
基本的に、GMO食品は「抗生物質」だと思って頂きたいのです。   
抗生物質がお腹のカビを増やすことは、上述の通りです。   
GMO食品をとることは、カビに関してはその抗生物質を食べるのと同じです。その理由を以下に説明しましょう。   
GMO作物は、害虫や農薬に強くしたものですが、なかでも特に、「グリフォセート」(商品名;ラウンドアップ)という農薬への耐性を持つようにつくられています。グリフォセートは除草剤として販売されている農薬です。   
わざわざこの農薬に強くした作物なので、当然、GMO作物にはかなりの量の農薬が使われています。GMO食品をとれば、その残留分を摂取することになるのです。   
グリフォセートは、EPSP酵素という、植物の成長に必要な酵素ができるのを阻害します。この酵素は腸内細菌の成長にも必要なので、GMO食品をとると腸内細菌が成長できなくなります。   
また、エネルギーを産生するときに重要なピルビン酸という物質をつくる酵素も阻害します。これは、腸内細菌がエネルギーを産生する際にも必要な酵素なので、体はエネルギー不足になります。   
さらに、グリフォセートは、パラオキソナーゼ-1(PON-1)といわれる、解毒に必要な酵素ができるのも阻害します。農薬に対して解毒が必要な状態で、PON-1がつくれないので、ますます解毒ができなくなります。   
これらの結果、GMO食品をとると、腸内細菌を大幅に減らし、結果的にカビの増殖を促してしまうのです。   
なお、グリフォセートをとると、腸の微絨毛が障害され、酵素の障害とも相まって消化能力が低下します。そのため、免疫の異常やアレルギー反応も起こりやすくなります。   
お腹のカビを増やさないためだけでなく、健康を守るためにも、GMO食品はとってはいけないものです。   
ちなみに、GMO食品でなくても、ジャガイモや小麦のように、収穫の際に草の部分を枯らして実を取るものは、グリフォセートを使うことがあるので要注意です(米国ではグリフォセートは大豆だけでなく小麦の収穫前に乾燥の手間がいらないとして散布して収穫しています。遺伝子組み換えの作物を子供たちに食べさせないようにしたとしても、米国、カナダから大量に輸入されている小麦、遺伝子組み換えでない小麦製品にたっぷりと散布された残留農薬を摂取することになります。   
国内ではどうかというと、厚生労働省が2017年12月25日、こっそりとマスコミの配布資料にも記載されないままにグリフォセートの安全基準を最高400倍に緩和しました。グリフォセートの残留農薬基準の大幅緩和によって、日本でも既に日産化学が国産大豆の収穫前にラウンドアップを散布すれば、収穫も簡単で乾燥の必要もないと宣伝し始めています。そうなれば国産の小麦などもそうなるのかもしれません)。   

  

(補足情報②)★ダイオフ現象に注意して過激なやり方はしない   
カビは細胞膜に囲まれて存在しています。抗カビ物質などによってカビが死ぬと、細胞膜が壊れ、中に入っているものが外へ放出されます。   
カビの中には、アラビノースやアセトアルデヒドなどの有害物質が入っています。少しずつカビが死滅していくときは、大きな問題になりませんが、異常増殖したカビが大量に死ぬと、これらの物質が大量に放出されることになります。すると、有害物質が体内に吸収され、血液中に入り、様々な症状を起こします。これを「ダイオフ現象」といいます。   
ダイオフの症状としては、発熱、異常行動、腹部膨張、異常な眠け、吐き気、嘔吐、湿疹、かゆみ、頭痛、鼻づまりなどがあります。また、異常に甘いものが欲しくなる、自傷行動の悪化、多動や癇癪、てんかんなど、もともとあった症状の悪化がみられることもあります。   
翌日から症状が出て、すぐ治まる人もいれば、3~4日で治まる人もいます。ひどい場合は、症状がずっと続いてしまう人もいます。   
ですから、お腹のカビ退治は、決して無理をしないでください。すぐに退治したい気持ちも分かりますが、ゆっくり、体にダメージを与えないようにしながら退治していきましょう。そのためには、以下の点に気をつけてください。   
  
①まずは食事から   
必ず、食事で糖分を控えることを3週間から、できれば1ヶ月続けた後に、サプリメントなどによる積極的な対策を始めましょう(詳細は書籍にありますが、ニンニク、梅肉エキス、オレガノオイル、ココナッツオイル、ローズマリー、クローブオイル、シナモン、オリーブの葉、リンゴ酢などから試して自分に合うものを探してみてください)。   
  
②アルカリ性のものをとる   
カビが生成する多くの物質は酸性物質のため、アルカリ性のものをとると中和されやすくなります。例えば、野菜ジュース(不溶性繊維のないもの)や梅干し、海塩などのミネラルが豊富な食品や、フレッシュな野菜をとりましょう。重曹を薄めて飲むのもいい方法です。ティースプーン1/4~1杯の重曹をコップ1杯の水に溶かして飲みます。     
  
③活性炭やビタミンB6をとる   
活性炭には毒を吸着する機能があります。食べる活性炭が市販されていますので、ダイオフが心配な時に利用してもいいでしょう。また、ビタミンB6はカビの放出する有害物質の一種(ペントシジン)の形成を防ぐのに役立つので、ビタミンB群のサプリメントなども併用するといいでしょう。   
  
④便秘をしないようにする   
便秘は大敵です。ダイオフを促す危険性があるので、便秘気味の人は、マグネシウム剤などでしっかり排便を促してください(例えば、こちら)。   
  
⑤いい水分をしっかりとる   
ダイオフ防止には、水分の摂取も大切です。ミネラルたっぷりの水分を十分にとりましょう。水分補給は、 胃酸や消化酵素が薄まるのを防ぐため、食事中や食直後を避け、食間や食後に行いましょう。   

  

(補足情報③)小腸に異常な数の細菌が増殖するSIBOに注意   
お腹にカビがいる時に似た症状を起こす関連疾患として、SIBOというものがあります。   
もともと腸内細菌は、主に大腸にいるもので、小腸にはほとんどいません。それが異常増殖したものがSIBOという状態で、お腹が張る、便秘や下痢等の便通異常、お腹の不快感や痛み、胸やけ、げっぷ、おなら等、お腹にカビがいる時に似た症状が起こります。   
SIBOになると、消化吸収能力が低下してしまいます。特に脂肪の吸収が苦手になるので、やせてきたり、脂肪便が出たり(過剰な脂肪ゆえ比重が低いので水に浮き、脂っぽい外観で、特に悪臭を放つ)、ビタミンA・D・E・Kといった脂溶性ビタミンの吸収障害が起こったりします。また、ビタミンB12や鉄も吸収されにくくなります。   
下痢や便秘になると吸収障害に加え、菌が多数あると、菌が栄養としてビタミンを食べるようになります。尿検査等では、ビタミンが増えているように見えますが、これは菌が利用している結果であり、患者さんの身体には使われていません。   
これらの影響で、倦怠感、関節炎、頭痛、尿漏れ、腹痛なども現れることがあります。   
SIBOの原因としては、まず胃腸の運動機能障害があります。   
食中毒後の毒が運動機能障害を引き起こす、   
糖尿病・甲状腺機能低下症・膠原病・各種感染症に伴う胃腸障害、   
オポオイド(麻薬性鎮痛薬)や抗生物質といった薬剤使用後、術後、ストレスの影響による胃腸障害   
などです。   
また、消化器の閉塞や憩室など、構造上の問題も考えられます。   
胃酸が少なかったり、制酸薬を使っていたり、回盲弁の機能障害があったりすると起こりやすくなります。過敏性腸症候群やガン、腸の癒着などの合併症として起こることもあります。   

  

(参考書籍)   
「おなかのカビが病気の原因だった」内山葉子著(2018年)   

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