田中整体療院

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放射線被曝を減らすには?(2018.4.22.作成)(2019.11.22.更新)


2.【予備知識、過去の事故例情報】
まず、今後も被害を受けうる代表的な「放射性物質」の特徴を簡単に書いていきます。
トリチウム」は、水素と間違えて全身に取り込まれ、脳腫瘍、胎児の奇形、様々な臓器のガンを引き起こす可能性があります。こちらもご覧ください。
セシウム」は、カリウムと間違えて取り込まれます。
カリウムは、人体の中でもタンパク質合成や、細胞内外の水の輸送、生命維持の為の様々な信号伝達など、たくさんの活動に関わっています。
トリチウム同様、常に全身に広く分布していますが、特に筋肉に集まりやすく、心臓子宮に集中します。
他にも腎臓・肝臓・膀胱・甲状腺・生殖器など、あちこちの臓器に広がり、そこから内部被爆させます。特に心臓は細胞の入れ替わりが少ない器官なので、ダメージを受けても再生されません。そのため心筋梗塞不整脈などを発生させます。
腎臓膀胱に影響が及ぶと、セシウムを排出する機能が阻害されます。体外に放出されるセシウムは、厚生労働省・食品安全委員会のとりまとめによれば、尿からが8割近くになるとしています。腎臓で何十回も濾過される際、尿中のセシウムの99%を回収して何度も被曝するために、腎臓や膀胱に被害が出ます。
ストロンチウム」は、カルシウムと間違えて取り込まれます。ストロンチウム=カルシウムのもっとも重要な性質は「水に溶けやすい」ということです。ということは、地表に降下したストロンチウムは、雨水によって徐々に溶け出して地下に吸収され、地下水に入り込むことを意味しています(セシウムも水との親和性は高いですが、土壌を沈降していく過程で土壌中の泥質、ゼオライト等に取り込まれ、地下水まではほぼ到達しない)。同時に河川から海へと汚染が進んでゆき、水棲生物にストロンチウムが沈着し、濃縮されていきます。従って、今後長きにわたって最も注意すべき放射性物質は、この『ストロンチウム』ということになります。
ストロンチウム被曝の影響については、突然死白血病糖尿病、膵臓癌、くる病、骨粗鬆症による骨折乳ガン、骨肉腫などが挙げられています。
ストロンチウム90の物理的半減期は、セシウム137同様約30年ですが、体内半減期(生物学的半減期)は49.3年ととんでもなく長く(ちなみにセシウムは70~100日くらい)、いうなれば、一生排出されないのと同じです。ですから、一切摂取しないことが大事になります
ストロンチウムはカルシウムの性質に似ているので、高被曝エリアの乳製品は生物濃縮されている可能性があると考え、セシウム汚染されているものはストロンチウム汚染もあるものとして対処しなければなりません(セシウム汚染がないからストロンチウム汚染がないという意味ではない)。また、骨格部分では、セシウムを超える濃縮を起こすので、骨ごと食べないこと、煮汁までたべないことが大切になります。
アメリカ・エネルギー省のデータでは、2011年4月の調査時点で、セシウムを1とした場合のストロンチウム89の比率が51%、ストロンチウム90の比率が17%となっています。しかもその調査された範囲は広く、福島県だけでなく、茨城県、神奈川県、群馬県、千葉県、栃木県、宮城県、山形県の全体合計で、その比率になっていました。
ストロンチウムは陸以上に、海に膨大に放出されているようで、海上保安庁が調査した範囲では、どこの海域でもほぼセシウムの3~5割となっています。
余談ですが、ストロンチウム90からできるのが、イットリウム90。
50年代の終わりにドイツの動物実験で発見されたのですが、ストロンチウム90が電子を放出してイットリウム90になると、骨から肺、心臓、生殖器などに移動するのですが、すい臓に最も高い集中が見られたのです。つまり、インスリンがうまく生産されないようになって、血糖値が上がり糖尿病になってしまうのです(スターングラス博士インタビューより)。
世界中で糖尿病が急増しているのはご存知の通りですが、日本は、すでに人口の割合から言えばアメリカの2倍もおり、戦後から現在にかけて、すい臓がんが12倍にもふくれあがっています。
(上記はほぼ参考書籍からの抜粋ですが、[セシウムとストロンチウム][ストロンチウム90汚染水]の方がよっぽど詳しく解説されています)


次に代表的な「放射線」を示します。
α(アルファ)線を出すプルトニウム
β(ベータ)線を出すトリチウム、ヨウ素、セシウム、ストロンチウム
γ(ガンマ)線を出すヨウ素、セシウム
などがあります(簡略表現しています)。
各々の放射線の透過力は、こちらの図を見れば一目瞭然ですが、
γ線(電磁波)が高く、様々な物質を通過して遠くまで飛ぶため(γ線は数十~数百m。ちなみに、α線は2~3cm、β線は数m)、外部被曝の中心を占めます。
これに対して、α線(物質)やβ線(物質)の透過力は極めて低く、外部被曝の影響は小さくなります。しかし、体内に入り様々な組織や臓器に取り込まれると、近距離にある細胞を強く傷つけるため、内部被爆の影響力は甚大です(例えば、DNAの結合エネルギーの4桁も5桁も大きなエネルギーが作用します。ですので、飲食品を甘く見ていると、生死に関わる被害を受けることになりかねません)。

具体的に「チェルノブイリの例」で示します。
◎1986年のチェルノブイリ原発事故で体内に取り込まれた放射性物質の70%は、
セシウム137でした(セシウムには2種類あり、その半減期は、セシウム134が
2年、セシウム137が30年)。

◎1997年までにベラルーシ共和国で亡くなった10歳までの子供、52人の臓器を調
べた結果、セシウム137の蓄積量が高い臓器のベスト4は内分泌系の甲状腺>副
腎>膵臓>胸腺でした。成長が盛んな子供のホルモン分泌が活発なことを示して
います。これまでの医学定説、「Cs137は、主に骨格筋に蓄積する」とは異な
り、甲状腺、心臓、肺、肝臓、腎臓、脳などの重要な臓器にCs137が蓄積する
分かりました。
甲状腺はヨウ素131が最も蓄積しやすい臓器です。二重に汚染されたことになり
ます。甲状腺から分泌されるホルモンは、重要な臓器の生長や働きを助けるた
め、甲状腺の機能異常は、子供の健全な生長にとって深刻です。
副腎の異常は腎障害に、膵臓細胞の破壊は子供の糖尿病に、胸腺の異常は免疫力
の低下や異常亢進を招きます。免疫力の低下は、風邪や結核に感染しやすくなり
ます(未成年の結核患者も増えているそうで、日本でも結核患者が増えてきて
います)。一方、過剰亢進は、アトピーや喘息などの自己免疫疾患を誘発しま
す。

◎事故後25年目のウクライナ共和国やベラルーシ共和国政府の報告書では、健康な
子供の割合は20%弱と明記されています。
また、細胞増殖のほとんど起こらない大人の心臓や脳にもCs137が蓄積している
ことは注目すべきことです。なぜなら、例えば事故後に不整脈から突然死した人
が多く、その心臓にセシウム137が蓄積していたからです。

ベラルーシで、事故当時、つまり30年前に生まれた世代が今、親となって
生んでいる赤ん坊のうち、正常児は僅か2%しかいない
(チェルノブイリとベラルーシは、日本で言えば、関東と福島の位置関係)。


翻って、福島原発事故の場合ですが、日本でも心疾患による突然死、パーキンソン病やアルツハイマー病などの脳神経系の病気が急増していることが統計的にはっきりとしてきました。今後、増えることはあっても減ることはないでしょう。なぜなら、既に皆さんの体内には放射性物質が大なり小なり入り込んでいますし、今後も知らないうちに体内への侵入を許してしまう状況にあるからです。
であるなら、内臓諸器官の新陳代謝を高めることにより、放射性物質の蓄積を抑え、できるだけ早く体外へ排出すること、その影響を軽減することがより重要になってきています。


以上のことをここで簡単にまとめます。
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事故直後の緊急時
➡言うまでもなく被曝を最小限にすることが最も肝要で、地形・風向きなどを
考慮して、できるだけ遠くに逃げるのが最善策です(適切なタイミングで適量
のヨウ素摂取も)。

事故から何年も経過した現在まで
➡大気中に大量放出されたセシウム137への対策が最重要でした
(もちろん、今後も無視できません)。

今後
➡これから長きに亘って、最も注目すべき放射性物質は、ストロンチウム90
(半減期29年)です。もちろんトリチウムプルトニウム239(半減期24100
年)が海産物などを介して口の中に入ってくることへの対策も不可欠です。
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(補足情報)その他
◎ユール・バンダジェフスキー博士らが、1991~1999年までベラルーシで行った
研究で得られたものは以下通り。
10~30ベクレル/kgの全身被曝と心拍パターン異常とに相関関係あり
(10ベクレル/kg以下のみ正常。であるのに、8000Bq/kg以下再利用という
こんなことが・・・)。
50ベクレル/kgを超えるセシウム137が蓄積されているレベルでは、心臓血管
系、神経系、内分泌系、免疫系、生殖系、消化器系、排泄系で病的な変化がほ
ぼ認められた。
・博士のカギとなる発見のひとつは、セシウム137が膵臓や肝臓、腸ばかりでな
く、内分泌腺や心臓組織でも生物濃縮することでした。
この発見は、体内被曝量からミリシーベルトを計算する時に現在使われている
根本的な仮定の一つ—――セシウム137は人体組織に「均一に分散」される
―――に反するものでした。
我々が甲状腺に濃縮する放射性ヨウ素について憂慮している間に、博士の研究
セシウム137が甲状腺ガンで主要な役割を演じているらしいということをつ
きとめていたのです。

◎バンダジェフスキー博士は、とても重要なことを述べています。
外部被曝量の数値である「シーベルト」について、「シーベルトで考えない方が
いい、むしろ食品や体内に含まれる放射性物質量である「ベクレル」で考えた方
がいい」と述べています。
ちなみに、ICRP(国際放射線防護委員会)の計算は、臓器の被曝量計算でも
臓器全体にまんべんなく被曝させるモデルになっています。
そのようなモデルではなく、現実に即した臓器の特定の場所に何度も追い打ちを
かける形での被曝を想定すると、そのダメージはより深刻なものになります。
つまり、体内の汚染量ベクレル/kgではなく、「シーベルト」という被曝量で
推定することは、既に被曝を小さく見せようとする「モデル」を前提とすること
になっているわけです。
ですから、バンダジェフスキー博士は、「シーベルトで考えない方がいい、むし
ろ食品や体内に含まれる放射性物質量である「ベクレル」で考えた方がいい」と
言うのです。

ベクレルは放射線の出ている量だから客観的ですが、シーベルトは被曝量に換算
してあります。放射線の当たった面積を実際より広く計算させれば、簡単に過小
評価が可能になります。
それだけではありません。セシウムはγ線だけでなく、全体の崩壊過程ではβ線
を3回出します。仮にセシウムの状態で体内に入ったとしても、そこからβ線を
1回と、γ線を1回出します。
ところが『γ線』だけで評価されています。

核燃料が地下800mに達し、汚染地下水は関東、東北周辺まで逆流している!?(参考書籍⑬及びこちら参照)
情報源は明らかにできないが、数年前から福島原発で働く作業員を治療している
医療関係者からのリーク情報は深刻だ。これによると、「福島原発での作業員は
既に800人近くが死亡し、重症疾患も多い」というのだ。
そして、「4号機の核燃料は地下500mまで沈降、2号機の核燃料に至っては地下
800mにまで達し、汚染された地下水は関東一円に達し、海洋にまで至ってい
る」というのだ。

◎発電所が出す液体廃棄物は、始めは誰もが海は広いし、とても深いので、人間社
会にはまったく影響がないと計算していた。
しかし、微量だから大丈夫ということは決して有り得ない。
また、Busby氏らの発見が論文で細かく発表されたように、海に放出した放射性
物質は、必ず波に乗って浜に返ってくる。イギリス、ウェールズ、スコットラン
ドの原子力発電所付近の砂浜でも、このことが確認されたのだ。日本でもきっと
同じことが起きているだろう。
海水で薄まると期待していた放射性物質が、波に運ばれて返って来て、それが雨
にも混ざって、また土の中にも入ってくるのだ。

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