田中整体療院

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誰もが持っている、上咽頭炎(2012.8.21.)(2017.2.12.更新)

  

(ここで特に役立つ情報は、2と7の自己診断法と補足情報だと思います)

     

1.【上咽頭炎とは?】   
2.【なぜ、上咽頭に慢性炎症が起こるのだろうか?】   
3.【慢性上咽頭炎がまねく2次疾患例】   
4.【慢性咽頭炎(病的炎症)の原因別2次疾患との関係は?】   
5.【治療法】   
6.【一世風靡した画期的な上記治療法が、なぜ幻の治療になってしまったのか?】   
7.【慢性上咽頭炎の診断方法】   
8.【慢性上咽頭炎を予防する】   

        

1.【上咽頭炎とは?】   
上咽頭炎には、   
「急性」上咽頭炎   
「慢性」上咽頭炎   
があり、一般的に認識されているのは、風邪をひくことで生じる①の急性上咽頭炎です。しかし、ここで取り上げるのは、②の慢性上咽頭炎。   
ファイバースコープを入れて見ただけでは、上咽頭の慢性炎症を見つけるのは困難で、抗生剤や抗菌剤では治りません。さらに耳鼻科医の多くが認識していない炎症状態なので、これ起因の症状を抱えられている方は、救われない状況にあるようです。   

        

2.【なぜ、上咽頭に慢性炎症が起こるのだろうか?】   
上咽頭という部位は、鼻の奥、「のどちんこの裏側」に位置します。鼻の孔から入った空気が鼻腔を抜けて方向を下向きに変える場所であり、空気が滞留しやすく常にじめじめしているため、細菌やウイルスに感染しやすい環境です(空気中の細菌やほこりが上咽頭の表面に付着しやすい)。   
その結果、上咽頭の表面は常に細菌やウイルスといった外の刺激にさらされるため、程度の差こそあれ、全ての人の上咽頭では絶えず炎症が起きているのです。   
この状態こそが“慢性上咽頭炎”といわれるもので、人間であれば誰もがもっている炎症なのですが、問題は、人によっては“体に悪さをするほどの炎症になる”ということです。   
この違いを医学的に説明すると、以下のようになります。   
「病的」炎症 =リンパ球が戦闘状態に入っている =上咽頭に塩化亜鉛を   
塗って、血が綿棒に付着する   
「生理的」炎症=リンパ球が戦闘「準備」状態にある=上咽頭に塩化亜鉛を   
塗って、血が綿棒に付着しない   
(著者の経験では、約8割の人が病的炎症の状態であって、そのうちの2割程度の人が、のどが痛い、鼻がつまる、頭痛がする、肩がこるなどの自覚症状をもっている、ひどい病的炎症の状態とのこと)。   

     

では、どんなことがきっかけで、症状の全くない「生理的な炎症」から「病的炎症」に変わったり、軽い「病的炎症」がひどい「病的炎症」に変わったりするのでしょうか?   
きっかけの一つは、風邪です。風邪をひいて急性上咽頭炎になったとき、きちんと治さないでいると、慢性上咽頭炎の状態が「病的炎症」に変わってしまいます。そのほか、ストレスや過労、寒さなどの自律神経のバランスが崩れることも、「病的炎症」に変える原因となります。   
つまり、疲れがたまっていて、体調がすぐれず、免疫力が下がっていると、簡単に慢性上咽頭炎の状態が「病的炎症」に変わってしまいます。上咽頭とは、それほどにデリケートな場所であり、言い換えれば私たちの体の状態を測るリトマス試験紙のような場所だと考えられます。   

     

以上をまとめると、慢性上咽頭炎(病的炎症)になる原因は、以下の二つです。   
病原微生物の感染   
自律神経の乱れ   

     

3.【慢性上咽頭炎がまねく2次疾患例】(病巣感染によって起こる病気)   
めまい、低血圧、自室神経失調症、神経症、心身症、チック症、関節リウマチ、扁桃炎、糖尿病、膠原病、アレルギー(花粉症、アトピー性皮膚炎)、喘息、口内炎、歯痛、歯槽膿漏、胃潰瘍、レイノーなど   

     

4.【慢性咽頭炎(病的炎症)の原因別2次疾患との関係は?】   
①病原微生物の感染(病巣感染)   
病巣感染とは、体のどこかに細菌などに感染した場所(病巣)があって、それが原因で感染した場所とは違う、離れた場所に病気が起こること。   
ここでは、上咽頭に侵入したウイルス、細菌などが原因でおこった炎症で、リンパ球が刺激されて活性化し、活発化したリンパ球や抗体が血液に乗って体中に移動して、体のほかの部位に病気を起こします。例えば、上咽頭炎が原病巣になって腎炎などの2次疾患が生じます。   

     

②自律神経の乱れ   
極度のストレスや働き過ぎなどにより、自律神経のバランスが崩れると、免疫力の低下が起こりますが、これは直ちに上咽頭の免疫システムに影響を与えると考えられます(慢性炎症状態では、上咽頭にある繊毛上皮細胞が常に活性化している、つまり、すぐに戦闘準備状態から戦闘状態に移れる状態にあります)。   
そのきっかけは、細菌やウイルスの侵入である必要はなく、ストレスであるとか、ただ寒い場所にいたとか、ほこりっぽい場所にいたとか、そんな小さなきっかけで、自律神経のバランスが崩れ、上咽頭の慢性炎症が悪化します(実際、慢性上咽頭炎の患者さんの上咽頭から、病原菌が検出されないことがしばしばあります)。   
つまり、上咽頭が「病巣感染」として感染を起こしていないにも関わらず、自律神経の乱れによって起こった上咽頭炎の悪化によって、めまいや胃部不快などの自律神経障害だけでなく、腎臓病や関節炎などの2次疾患が起きます。   

     

5.【治療法】   
塩化亜鉛の塗布で炎症を焼くのが一番の治療法となります(通院治療)。   
*生理用食塩水で鼻うがいという自己対処法も紹介されています   
(参考書籍②③)。   

     

6.【一世風靡した画期的な上記治療法が、なぜ幻の治療になってしまったのか?】   
①診療報酬が低い   
医療費負担が少ない治療ですが(500円程度の支払い)、医療を行う側にとって   
みれば、半ば「患者さんへのボランティア」という気持ちがないと続けられない   
ような、経営的に全く魅力のない治療   
②治療に伴う痛み   
もし上咽頭に炎症がある場合、塩化亜鉛を上咽頭に塗布した時の痛みはかなりの   
ものである。   
③医師たちに懐疑心をもたせたからではないか   
この治療が、頭痛や自律神経機能の異常だけでなく、糖尿病や膠原病、関節リウ   
マチといったあらゆる難病に効くと報告されたため、この治療に疑いをもたれた   
のではないか。   

     

7.【慢性上咽頭炎の診断方法】   
耳の後ろの下部、乳様突起(胸鎖乳突筋の起始部。仰向けで頭を持ち上げたときに浮き上がる筋肉)の下辺りを人差指、中指、薬指の3本でやや強い力を込めて触ると、慢性上咽頭炎がある患者さんは痛みを感じます(炎症が強い場合には、触診した時に指先に筋肉の張りを感じます)。加えて、慢性上咽頭炎があると、のどに痛みを感じる患者さんがたくさんいます(のどの痛みで来院した患者さんの実に90%は上咽頭に原因があったという報告もあり*1)。ですから、なかなか取れないのどの痛みがあり、さらに咳が出る、のどがイガイガするなどの症状があって、耳の下を押して痛みを感じた場合は、慢性上咽頭炎である可能性が高いと考えられます。   
  
(*1)痛みの原因である炎症を起こしている部位と、実際に痛みを感じる部位が   
違う現象を、医学用語で関連痛といいます。上咽頭の炎症によって生じる関   
連痛は、のどの痛みだけでなく、頭痛や肩こりとして起こっている場合も多   
い。   

     

8.【慢性上咽頭炎を予防する】   
①何はなくとも禁煙する   
②きれいな空気を吸う   
③鼻うがいを習慣づける   
④首を冷やさない、首のコリをとる   
⑤口呼吸をやめる   
⑦ストレスのたまらない生き方をする   

     

(補足)   
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(参考書籍)   
①Bスポットの発見(堀口申作著)1984年    
②病気が治る 鼻うがい健康法(堀田修著)2011年      
③腎臓病を治す本(堀田修著)2012年   

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