田中整体療院

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知って得する、麹(コウジ)の力!(2012.03.02.)

  

麹とは「麹菌」というカビの一種を、蒸した米や麦、豆などの穀類に生やしたもの。日本の伝統的な調味料である醤油や味噌、酢を作るのに欠かせないもので、日本酒や焼酎といったアルコールの発酵・醸造にも役立っています。

ところで、麹菌による発酵の利点には、どんなものがあるのでしょうか?
大きく分けて、以下の4つのポイントが挙げられます。

①保存性が高まる
②栄養の吸収率が高まる
③栄養価が高まる
④風味がよくなって、美味しくなる

なぜ、このような変化が起こるのでしょうか?

(保存性)→発酵菌(麹菌)が優勢の環境では腐敗菌が増殖できない為
(吸収率)→麹菌が繁殖している麹は、プロテアーゼやアミラーゼを筆頭に、
100種類以上の酵素を含む、“酵素の塊”のような状態。
この麹菌から生まれた酵素の発酵作用によって、食品中の色々な
成分が身体に有益な形に分解される為
(栄養価)→菌の働きにより作り出されるビタミン群など、新たな栄養素が
加わる為
(風味・味)→酵素によってタンパク質が分解され、うまみ成分のアミノ酸が
できる。またでんぷん質が分解されブドウ糖ができる為。

このような大変な能力を持っている麹菌、味方に付けない手はないですよね?

いや、これだけの話しでは、そんな必要性を感じないという方のために、もう少し話しを続けます。

もし、この発酵菌が、人間の腸内で優勢ならばどうなるかといいますと、悪い菌の活動を抑え込み、健康な状態を保ってくれるのです。
腸内の菌の説明で、よく「善玉菌」「悪玉菌」と聞いたことがあると思いますが、発酵菌は、ズバリ善玉菌。しかし、腸内細菌はこの2種類だけで構成されているわけではなく、実は「日和見菌」が過半数を占めており、理想的な腸内細菌バランスは、「善玉菌3:悪玉菌1:日和見菌6」と言われています。
そして、食の偏り、生活習慣、ストレスなど様々なことが原因となって悪玉菌の比率が1.5を超えると、日和見菌は悪玉菌の側についてしまい、一気に腸内環境が悪くなりはじめます。

まず、アンモニアや硫化水素などの有毒ガスや有毒物質が発生し、便の状態が悪くなって、便秘や下痢といった症状が出ます。有害物質は血液中に入って全身を巡るため、肌荒れなどの皮膚トラブルの原因にもなります。

それから、免疫への影響です。免疫がきちんと働くかどうかは、腸内環境の善し悪しがカギをにぎっており、「人間がもつ免疫機能は、その70%を腸管免疫に依存している」とも言われるほどです。つまり、腸内環境の悪化=免疫力の低下。先に挙げたような症状に加え、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすい身体になったりします。また、花粉症やアトピー性皮膚炎、様々なアレルギー疾患も免疫機構の誤動作が原因であることが、近年の研究で明らかになりつつあります。

精神的な疾患とも無関係ではありません。ちょっと古い記事になりますが(読売新聞 最新医療 2008年10月10日)、
脳がストレスを受けると、セロトニンが腸管内の神経組織で増え、腸管の過度の運動や収縮が起きて、突然の下痢や便秘を招く。また腸管の痛覚が過敏になり、通常感じない蠕動運動でも痛みや不快を感じてしまうそうです(過敏性腸症候群)。

というわけで、悪玉菌につけこまれないするためには、良い菌=発酵菌で腸内環境を常に“善玉菌優勢”に保つことが非常に大切です。

以上で話しは終わりですが、最後にまとめます。

私たちは、世界でも珍しい発酵大国に住んでいるのですから、今の麹ブームをいつものような一時のブームで終わらせては非常にもったいないというか、大きな損失です。

と言いましても、効果を実感できなければはじまりませんので、まずは、『自家製なま甘酒』で試されるといいかもしれません(市販品は加熱されて菌が死んでいるのでNG)。
なぜなら、「飲む点滴」「飲む美容液」などと呼ばれているくらいで、便秘解消などの腸内環境の改善、疲労回復、脳の活性化、肝臓の強化、高血圧症や肥満の改善、動脈硬化予防、美しい肌や髪を作る・・・などなど、私たちを悩ませる身体のトラブルの多くに効果が期待できるため、麹の有用性を実感できる可能性が高いからです。

なお、作り方・注意点について、参考書籍などに記載されています。「便秘を根本的によくするには?」の[4]にも少し記載してありますので、よろしかったらそちらもご覧ください。

  

[麹を扱っているお店]
岩満麹屋さん(都城市)
○二宮麹屋さん(宮崎市)
一丁田味噌(志布志市)   
○川崎コウジ屋(曽於市)   
麹の館(鹿児島市)   

  

[参考書籍]   
「麹の生きた力を引き出す本」伏木鴨顕著(2011年9月15日発刊)など   

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