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法規の強弱

私は行政書士の勉強をするまで、憲法と法律の違いすら分かっていませんでした。

 

憲法を見たこともない状況だったので、まして違いなんてわかるわけないですよね。

 

日本の現憲法は先の大戦で敗戦後、GHQにより突貫工事でつくられました。
あれから70年以上経ちますが、憲法は一度も改正されていません。

 

法律は国会で作っているので、新設や改正、時には廃止されています。

 

強い・弱いという点でいうと、

 

憲法>条約>法律>命令>条例

 

という形になります。なにやらいっぱい増えました。

 

条約というのは国家間で結ぶもの。一応、法律より上と考えて差し支えないでしょう。
条例は地方議会で決めるもので、日南市には最初の乾杯は焼酎で、という条例もあります。

 

命令
内閣がつくる「政令
○○省がつくる「○○令
があります。

 

海事代理士試験では国土交通省がつくる国土交通省令が頻出します。

 

この命令は、法律のなかに「この○○は政令で定める」とあると、それに対応した政令を探すことになります。

 

例えば、海上交通安全法では、
第二条 この法律において「航路」とは、別表に掲げる海域における船舶の通路として政令で定める海域をいい、その名称は同表に掲げるとおりとする。

 

ここの言う政令は「海上交通安全法施行令」という名前がついてます。

 

また

 

海上交通安全法
第五条 国土交通省令で定める航路の区間においては、船舶は、当該航路を横断する場合を除き、
当該区間ごとに国土交通省令で定める速力(対水速力をいう。以下同じ。)を超える速力で航行してはならない。
ただし、海難を避けるため又は人命若しくは他の船舶を救助するためやむを得ない事由があるときは、
この限りでない。

 

ここの言う国土交通省令は「海上交通安全法施行規則」という名前がついてます。

 

それぞれの法律で、△△法(法律)、△△施行令(政令)、△△施行規則(国土交通省令)がセットになっている、と考えてください。

 

なぜ、こんな分かりにくいことをするかというと、こうしておけば、いちいち法律を変えなくていいので国会に出さなくても、内閣や国土交通省で変更できる部分が増えるので、
上の第二条だったら内閣で航路を増やしたり、第五条だったら速力を国土交通省がコントロールできるのです。

 

それを含めて国会で決議しているので、あまりにも重要なポイントが国土交通省令で定めるとかになっていたら、お役所様の権限が強くなるかもしれませんので、ぜひ国会議員の皆様にはツッコミを入れてほしいと思います。
逆にあまりにも細かいポイントをいちいち法律の改正をするようになっていたら、現場が困るかもしれません。
その見極めがきっちりできる人に国会を任せなければならないと思っています。
国会議員を選んでいるのは私たち国民なので、そういう目を養わなければなりません。

 

話がそれてしまいました。

 

 

 

 

海事代理士試験の範囲は?

 

海事代理士試験の内容をみてみましょう。

 

 

(1)筆記試験

 

●一般法律常識(概括的問題)
憲法、民法、商法(第3編「海商」のみ対象。)

 

●海事法令(専門的問題)
国土交通省設置法
船舶法
船舶安全法
船舶のトン数の測度に関する法律
船員法
船員職業安定法
船舶職員及び小型船舶操縦者法
海上運送法
港湾運送事業法
内航海運業法
港則法
海上交通安全法
造船法
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律
国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律(国際港湾施設に係る部分を除く。)
領海等における外国船舶の航行に関する法律
船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律
及びこれらの法律に基づく命令

 

 

出てきました「命令」。つまり「政令と国土交通省令も試験範囲に入る」ということです。
法律と併せてパズルのようにつなぎ合わせましょう。

 

また、政令で定めるのか、国土交通省令で定めるのか、問題も結構でています。
内閣と国土交通省の綱引きを感じながら、理解しつつ丸暗記していきましょう。

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