年少船員
第九章は、年少船員です。第84〜86条を見てみましょう。
(未成年者の行為能力)
第八十四条 未成年者が船員となるには、法定代理人の許可を受けなければならない。
○2 前項の許可を受けた者は、雇入契約に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
(年少船員の就業制限)
第八十五条 船舶所有者は、年齢十六年未満の者(漁船にあつては、年齢十五年に達した日以後の最初の三月三十一日が終了した者を除く。)を船員として使用してはならない。ただし、同一の家庭に属する者のみを使用する船舶については、この限りでない。
○2 船舶所有者は、年齢十八年未満の船員を第八十一条第二項の国土交通省令で定める危険な船内作業又は国土交通省令で定める当該船員の安全及び衛生上有害な作業に従事させてはならない。
○3 船舶所有者は、年齢十八年未満の者を船員として使用しようとするときは、その者の船員手帳に国土交通大臣の認証を受けなければならない。
○4 前項の認証に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。
(年少船員の夜間労働の禁止)
第八十六条 船舶所有者は、年齢十八年未満の船員を午後八時から翌日の午前五時までの間において作業に従事させてはならない。ただし、国土交通省令の定める場合において午前零時から午前五時までの間を含む連続した九時間の休息をさせるときは、この限りでない。
○2 前項の規定は、第六十八条第一項第一号の作業に従事させる場合には、これを適用しない。
○3 第一項の規定は、漁船及び船舶所有者と同一の家庭に属する者のみを使用する船舶については、これを適用しない。
ざっくりまとめると、年齢順に・・・
16歳未満の者→船員として使用してはならない。
※15歳に達した日以後の3/31が終了した者(つまり中学卒業後のイメージ)→15歳でも漁船の船員になれる
※同一の家庭に属する者のみを使用する船舶は除外(つまり年齢関係なし)
18歳未満→船員手帳に国土交通大臣の認証を受けなければならない。夜間(pm8時〜am5時)はダメ。
※危険な船内作業、船員の安全及び衛生上有害な作業はダメ。
※am0時〜am5時を含む9時間休憩をとるときはpm8時〜am0時の作業はOK
※例外規定(船が危険なとき等)の作業は適用外
※漁船、同一の家庭に属する者のみを使用する船舶は除外(つまり何時でもよし)
未成年者(現民法で20歳未満)→法定代理人の許可必要。許可をうけたら雇入契約に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
ちなみに令和4年(2022年)4月1日に民法改正で成年年齢が20歳から18歳になりますのでご注意ください。
練習問題
@船舶所有者は、年齢十八年未満の船員を午後(ア)時から翌日の午前(イ)時までの間において作業に従事させてはならない。ただし、国土交通省令の定める場合において午前零時から午前(イ)時までの間を含む連続した九時間の休息をさせるときは、この限りでない。
A船員法第86条の規定に基づき、船舶所有者は年齢18歳未満の船員を、午後8時から翌日の午前5時までの間において作業に従事させてはならないが、この規定が適用されないのは、年齢18歳未満の船員がどのような船舶に乗り組んでいる場合か船舶を2つ述べよ。
答えはこちら(白文字にしているので文字範囲選択してね)
@(ア)8 (イ)5
A・漁船
・船舶所有者と同一の家庭に属する者のみを使用する船舶