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労働時間 休日及び定員

 

第六章は、労働時間、休日及び定員です。ここは頻出します。第60〜73条を見てみましょう。

 

 

(労働時間)

第六十条 船員の一日当たりの労働時間は、八時間以内とする。
○2 船員の一週間当たりの労働時間は、基準労働期間について平均四十時間以内とする。
○3 前項の基準労働期間とは、船舶の航行区域、航路その他の航海の期間及び態様に係る事項を勘案して国土交通省令で定める船舶の区分に応じて一年以下の範囲内において国土交通省令で定める期間(船舶所有者が就業規則その他これに準ずるものにより当該期間の範囲内においてこれと異なる期間を定めた場合又は労働協約により一年以下の範囲内においてこれらと異なる期間が定められた場合には、それぞれその定められた期間)をいう。
○4 国土交通大臣は、前項の国土交通省令の制定又は改正の立案をしようとするときは、あらかじめ、交通政策審議会の議を経なければならない。

 

ふむふむ、労働時間は、
1日8時間以内
1週間平均40時間以内

 

基準労働期間
国土交通省令で定める船舶の区分に応じて一年以下の範囲内において国土交通省令で定める期間

 

(基準労働期間)

第四十二条の二 法第六十条第三項の国土交通省令で定める船舶の区分は、次の各号に掲げる船舶の区分とし、同項の国土交通省令で定める期間は、当該各号に掲げる船舶の区分に応じそれぞれ当該各号に定める期間とする。
一 遠洋区域又は近海区域を航行区域とする船舶(国内各港間のみを航海するものを除く。) 一年
二 遠洋区域又は近海区域を航行区域とする船舶であつて国内各港間のみを航海するもの(次号に掲げるものを除く。)及び沿海区域を航行区域とする船舶(第四号に掲げるものを除く。) 九月
三 遠洋区域又は近海区域を航行区域とする船舶であつて国内各港間のみを航海するもののうち定期航路事業(海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)第二条第三項に規定する定期航路事業をいう。以下同じ。)に従事するもの 六月
四 沿海区域を航行区域とする船舶であつて国内各港間のみを航海するもののうち定期航路事業に従事するもの及び平水区域を航行区域とする船舶(次号に掲げるものを除く。) 三月
五 平水区域を航行区域とする総トン数七百トン以上の船舶であつて定期航路事業に従事するもの 一月
○2 前項の期間の起算日は、次に掲げる日とする。
一 船員が船舶に乗り組む日(当該日がそれ以外の日を起算日とする基準労働期間内にある場合を除く。)
二 船員が船舶に乗り組んでいる間に基準労働期間が終了した場合にあつては、当該終了した日の翌日
○3 前項の規定にかかわらず、就業規則その他これに準ずるものにより、あらかじめ基準労働期間の起算日及び基準労働期間内に与える休日(次条第一項の休日に限る。以下第四十二条の五第一項、第四十二条の十一、第四十五条、第四十八条の二第三項、第四十八条の三第三項、第四十八条の三の二第三項及び第四十八条の四第三項において同じ。)の日数が定められており、かつ、当該日数の休日を与えることによつて法第六十条第二項及び第六十一条の規定を遵守しうる場合にあつては、第一項の期間の起算日は、当該就業規則その他これに準ずるものにより起算日として定められた日とする。

 

 

 

 

 

 

(休日)

第六十一条 船舶所有者が船員に与えるべき休日は、前条第二項の基準労働期間について一週間当たり平均一日以上とする。

 

1週間に1回はお休みがあるということですね。

 

 

 

(補償休日)

第六十二条 船舶所有者は、船員の労働時間(第六十六条(第八十八条の二の二第四項及び第五項並びに第八十八条の三第四項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受ける時間を除く。)が一週間において四十時間を超える場合又は船員に一週間において少なくとも一日の休日を与えることができない場合には、その超える時間(当該一週間において少なくとも一日の休日が与えられない場合にあつては、その超える時間が八時間を超える時間。次項において「超過時間」という。)において作業に従事すること又はその休日を与えられないことに対する補償としての休日(以下「補償休日」という。)を、当該一週間に係る第六十条第二項の基準労働期間以内にその者に与えなければならない。ただし、船舶が航海の途中にあるときその他の国土交通省令で定めるやむを得ない事由のあるときは、その事由の存する期間、補償休日を与えることを延期することができる。
○2 前項の規定により与えるべき補償休日の日数は、超過時間の合計八時間当たり又は少なくとも一日の休日が与えられない一週間当たり一日を基準として、第六十条第二項及び前条の規定を遵守するために必要な日数として国土交通省令で定めるところにより算定される日数とし、その付与の単位は、一日(国土交通省令で定める場合は、国土交通省令で定める一日未満の単位)とする。
○3 第一項の規定により与えられた補償休日を含む一週間に係る同項の規定の適用については、当該補償休日はそれを与えられた船員が作業に従事した日であつて休日以外のものとみなし、その労働時間は八時間(当該補償休日が前項の国土交通省令の規定による一日未満の単位で与えられたものである場合には、国土交通省令で定める時間)とみなす。
○4 前三項に定めるもののほか、補償休日の付与に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。

 

 

会社勤めをしている人が振替休日をもらうような感じが補償休日ですね。

 

 

 

 

 

第六十三条 船舶所有者は、前条第一項の規定により補償休日を与えるべき船員が当該補償休日を与えられる前に解雇され、又は退職したときは、その者に与えるべき補償休日の日数に応じ、国土交通省令で定める補償休日手当を支払わなければならない。

 

 

 

 

(時間外、補償休日及び休息時間の労働)

 

第六十四条 船長は、船舶の航海の安全を確保するため臨時の必要があるときは、第六十条第一項の規定若しくは第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて、自ら作業に従事し、若しくは海員を作業に従事させ、又は第六十二条第一項若しくは第六十五条の三の規定にかかわらず、補償休日若しくは休息時間において、自ら作業に従事し、若しくは海員を作業に従事させることができる。
○2 船長は、前項に規定する場合のほか、船舶が狭い水路を通過するため航海当直の員数を増加する必要がある場合その他の国土交通省令で定める特別の必要がある場合においては、国土交通省令で定める時間を限度として、第六十条第一項の規定又は第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて、自ら作業に従事し、又は海員を作業に従事させることができる。
○3 船長は、第一項の規定により、補償休日又は休息時間において、自ら作業に従事し、又は海員を作業に従事させたときは、船舶の運航の安全の確保に支障を及ぼさない限りにおいて、当該作業の終了後できる限り速やかに休息をし、又は休息をさせるよう努めなければならない。

 

 

第六十四条の二 船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出た場合においては、その協定で定めるところにより、第六十条第一項の規定又は第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて船員を作業に従事させることができる。
○2 国土交通大臣は、労働時間の延長を適正なものとするため、前項の協定で定める労働時間の延長の限度その他の必要な事項について、船員の福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して基準を定めることができる。
○3 第一項の協定をする船舶所有者及び労働組合又は船員の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の基準に適合したものとなるようにしなければならない。
○4 国土交通大臣は、第二項の基準に関し、第一項の協定をする船舶所有者及び労働組合又は船員の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。

 

 

第六十五条 船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出た場合においては、第六十二条第一項の規定にかかわらず、その協定で定めるところにより、かつ、国土交通省令で定める補償休日の日数を限度として、補償休日において船員を作業に従事させることができる。

 

 

(労働時間の限度)

 

第六十五条の二 第六十四条第二項の規定により第六十条第一項の規定又は第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて船員を作業に従事させる場合であつても、船員の一日当たりの労働時間及び一週間当たりの労働時間は、第六十条第一項の規定及び第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間並びに海員にあつては次項の規定による作業に従事する労働時間を含め、それぞれ十四時間及び七十二時間を限度とする。
○2 第六十四条の二第一項の規定により第六十条第一項の規定又は第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて海員を作業に従事させる場合であつても、海員の一日当たりの労働時間及び一週間当たりの労働時間は、第六十条第一項の規定及び第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間並びに前項の規定による作業に従事する労働時間を含め、それぞれ十四時間及び七十二時間を限度とする。
○3 船舶所有者は、船員を前二項に規定する労働時間の限度を超えて作業に従事させてはならない。
○4 第六十四条第一項の規定により船員が作業に従事した労働時間は、第一項及び第二項に規定する労働時間には算入しないものとする。
○5 第一項から第三項までの規定は、海底の掘削に従事する船舶その他のその航海の態様が特殊であるため船員がこれらの規定によることが著しく不適当な職務に従事することとなると認められる船舶として国土交通省令で定めるものについては、適用しない。

 

限度は
1日14時間
1週間72時間
(船舶の航海の安全を確保するため臨時の必要があるときは、その分は上記に算入しない)

 

 

(休息時間)

第六十五条の三 船舶所有者は、休息時間を一日について三回以上に分割して船員に与えてはならない。
○2 船舶所有者は、前項に規定する休息時間を一日について二回に分割して船員に与える場合において、休息時間のうち、いずれか長い方の休息時間を六時間以上としなければならない。
○3 前二項の規定にかかわらず、船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出た場合においては、その協定で定めるところにより、休息時間を、一日について三回以上に分割して、又は前項に規定する場合において休息時間のうちいずれか長い方の休息時間を六時間未満として、船員(海員にあつては、次に掲げる者に限る。)に与えることができる。
一 船舶が狭い水路を通過するため航海当直の員数を増加する必要がある場合その他の国土交通省令で定める特別の安全上の必要がある場合において作業に従事する海員
二 定期的に短距離の航路に就航するため入出港が頻繁である船舶その他のその航海の態様が特殊であるため船員が前二項の規定によることが著しく不適当な職務に従事することとなると認められる船舶で国土交通大臣の指定するものに乗り組む海員

 

休息時間は
1日3分割→×
1日2分割→OKだけど、長い方は6時間以上にする

 

※労働組合(船員の過半数で組織)で協定の上、国交省大臣に届ければ上記クリアの場合がある(3項の1・2号)

 

 

 

(割増手当)

第六十六条 船舶所有者は、第六十四条から第六十五条までの規定により、船員が、第六十条第一項の規定若しくは第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて又は補償休日において作業に従事したときは、国土交通省令で定める割増手当を支払わなければならない。

 

 

(通常配置表)

第六十六条の二 船長は、第十二条から第十四条までに規定する場合その他非常の場合以外の通常の場合における船員の船内作業の時間帯及び作業内容に関し、国土交通省令で定めるところにより、通常配置表を定め、これを船員室その他適当な場所に掲示しておかなければならない。

 

 

(記録簿の備置き等)

第六十七条 船長は、国土交通省令で定めるところにより、船内に帳簿を備え置いて、船員の労働時間、補償休日、休息時間及び第六十六条(第八十八条の二の二第四項及び第五項並びに第八十八条の三第四項において準用する場合を含む。)の割増手当に関する事項を記載しなければならない。
○2 船長は、国土交通省令で定めるところにより、船員に対し、前項の帳簿の写しを交付しなければならない。
○3 船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、休日付与簿を備え置いて、船員に対する休日の付与に関する事項を記載しなければならない。

 

 

(例外規定)

第六十八条 第六十条から前条までの規定及び第七十二条の国土交通省令の規定は、船員が次に掲げる作業に従事する場合(海員にあつては、船長の命令によりこれらの作業に従事する場合に限る。)には、これを適用しない。
一 人命、船舶若しくは積荷の安全を図るため又は人命若しくは他の船舶を救助するため緊急を要する作業
二 防火操練、救命艇操練その他これらに類似する作業
三 航海当直の通常の交代のために必要な作業
○2 船長は、補償休日又は休息時間において、前項各号に掲げる作業に自ら従事し、又は海員を従事させたときは、船舶の運航の安全の確保に支障を及ぼさない限りにおいて、当該作業の終了後できる限り速やかに休息をし、又は休息をさせるよう努めなければならない。

 

 

 

 

 

(定員)

第六十九条 船舶所有者は、国土交通省令で定める場合を除いて、第六十条第一項の規定又は第七十二条の国土交通省令の規定を遵守するために必要な海員の定員を定めて、その員数の海員を乗り組ませなければならない。
○2 船舶所有者は、航海中海員に欠員を生じたときは、遅滞なくその欠員を補充しなければならない。
第七十条 船舶所有者は、前条の規定によるほか、航海当直その他の船舶の航海の安全を確保するための作業を適切に実施するために必要な員数の海員を乗り組ませなければならない。

 

 

(適用範囲等)

第七十一条 第六十条から第六十九条までの規定は、次に掲げる船舶については、これを適用しない。
一 漁船
二 船員が断続的作業に従事する船舶で船舶所有者が国土交通大臣の許可を受けたもの
○2 前項各号の船舶に係る前条の規定の適用については、同条中「前条の規定によるほか、航海当直」とあるのは、「航海当直」とする。

 

 

(特例)

第七十二条 定期的に短距離の航路に就航するため入出港が頻繁である船舶その他のその航海の態様が特殊であるため船員が第六十条第一項の規定によることが著しく不適当な職務に従事することとなると認められる船舶で国土交通大臣の指定するものに関しては、当該船舶の航海の態様及び当該船員の職務に応じ、国土交通省令で定める一定の期間を平均した一日当たりの労働時間が八時間を超えず、かつ、一日当たりの労働時間が十四時間を超えない範囲内において、船員の一日当たりの労働時間について国土交通省令で別段の定めをすることができる。

 

第七十三条 国土交通大臣は、必要があると認めるときは、交通政策審議会の決議により、第六十条から第六十九条までの規定の適用を受けない船員の労働時間、休日及び定員に関し必要な国土交通省令を発することができる。

 

 

練習問題

 

@〇か×か
船員の1日当たりの労働及び時間は7時間以内、1週間当たりの労働時間は、基準労働期間については平均35時間以内とする。

 

A第64条第2項の規定により第60条第1項の規定又は第72条の国土交通省の規定による労働時間の制限を超えて船員を作業に従事させる場合であつても、船員の1日当たりの労働時間及び1週間当たりの労働時間は、第60条第1項の規定及び第72条の国土交通省令の規定による労働時間を含め、それぞれ(ア)時間及び(イ)時間を限度とする。

 

B船舶所有者が船員に与えるべき休日は、(ウ)期間について1週間あたり(エ)日以上とする。

 

C船舶所有者は、休息時間を1日について2回に分割して船員に与える場合において、休息時間のうち、いずれか長い方の休息時間を(オ)時間以上としなければならない(休息時間の分割に関する労使間の協定を締結し、国土交通大臣に届けた場合を除く)。

 

 

答えはこちら(白文字にしているので文字範囲選択してね)

@× 1日当たり8時間、1週間当たり40時間以内(5日分と覚えよう)
A(ア)14(イ)72
B(ウ)基準労働(エ)1
C(オ)6

 

 

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