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カルシウム1%が生命活動のカギを握っている(2017.2.9.)
1.【血液・体液中に存在する“1%”のカルシウムの重要性】
2.【血液中のカルシウムの働き】
3.【カルシウムの偉大な相棒=マグネシウム】
4.【例として、牛乳によりカルシウムが悪玉化する二つの要因】
5.【悪玉カルシウム(異所石灰化)の影響は全身に及ぶ】
6.【カルシウムを悪玉化させない対策】
1.【血液・体液中に存在する“1%”のカルシウムの重要性】
私たちの体内にあるカルシウムの99%は骨や歯に存在しますが、残りの“1%”は血液や体液の中に含まれています。このわずか1%のカルシウムが、全身60兆個の細胞の生命活動を維持するうえで、実に重要な働きをしています。
血液中のカルシウムは、常に一定濃度に保たれており、
○筋肉の収縮や弛緩をコントロール
○情報伝達
○出血を止める
○血液や体液のpH調節
○ホルモン分泌
など、体内のありとあらゆる機能に関与しています。
わずか1%でありながら、血液中のカルシウムの量を常に一定に保つことは、私たちの体内では最重要事項の一つです。1%より多すぎても少なすぎてもいけません。このデリケートなコントロールを行う上で中心的に働くのが、
○副甲状腺ホルモン(パラソルモン)
○甲状腺ホルモン(カルシトニン)
○女性ホルモン(エストロゲン)
です。血液中のカルシウム不足をいち早く発見すると、副甲状腺からホルモンを分泌して、カルシウムの補給を求めます。このホルモンが出ると、骨のカルシウムが溶け出して(脱灰)血液中に流れ込みます。
甲状腺ホルモンは、副甲状腺ホルモンとは正反対の働きを持ち、骨からカルシウムが溶け出さないようにし、骨へのカルシウムの沈着を促します(再石灰化)(ちなみに、女性ホルモンは、甲状腺ホルモンの分泌を促進することで、骨からカルシウムを溶け出さないようにします)。
もし、甲状腺ホルモンと副甲状腺のバランスが崩れてしまうと、骨自体のトラブルはもちろんのこと、血液中のカルシウムが持つきわめて重要な数々の役割にも支障をきたすことになります。
*「脱灰」「再石灰化」「異所性石灰化」
血液中のカルシウム量が足りなくなると、骨に貯蔵していた分を引き出してきま
す。これが「脱灰」です。そして、用の済んだカルシウムが再び骨に戻されるの
が「再石灰化」です。
通常であれば、「脱灰」と「再石灰化」のバランスがうまく保たれていますが、
脱灰が過剰になったり、慢性的に続いたりすると、再石灰化が適切に行われなく
なります。さらには、なんと骨以外の場所にカルシウムが蓄積するという
「異所性石灰化」が生じてしまいます。
これらの状態は、現代人が見舞われている健康問題の全てに関与していると言い
切ってもいいしょう。
*参考書籍には、ホルモンバランスが崩れる原因に触れらていないのですが、他書
籍からその原因を引用すると、ストレス、加齢、薬など。薬は、身近なものでは
イソジンガーグルといううがい薬でも起こることがあるとのこと。なお、上記ホ
ルモンの文章は省略した方が、全体の話しが理解しやすくなります。削除しよう
かと思ったのですが、ホルモン情報が参考になるケースもあると想定されるため
残しました。
2.【血液中のカルシウムの働き】(生命活動のスイッチを入れる)
血液(体液)中のカルシウムは、細胞の外側と内側を出入りすることができます。その比率は、外側10000に対して内側1というものになっています。とてつもない濃度差ですが、この比率が極めて重要です。なぜなら、この濃度差がスイッチの「ON」と「OFF」の役割を果たしているからです。
細胞外のカルシウムが細胞内に一時的にどどっと入り込んでスイッチがONとなり、生命活動が開始されたあとは再び細胞外にさっと戻ることでOFFとなります(このスイッチは、生命活動にとって不可欠の酵素にも関わっています。つまり、このスイッチが入って酵素が合成されたり、働き始めたりするため、生命活動の根幹に関わるようなスイッチ!)。
必要に応じて細胞にスイッチを入れ、用が済めばスイッチを切る、とうまく切り替わっている間は問題ないのですが、細胞内に入り込んだカルシウムがいつまでたっても細胞外に戻ることなく(=カルシウムの悪玉化=異所性石灰化)、いわば「スイッチの入りっぱなし」の状態が続くと、生命活動に深刻な影響をもたらすことにつながります(そんな事態を招く筆頭原因は、マグネシウム不足!)。
3.【カルシウムの偉大な相棒=マグネシウム】
カルシウムには、まさに切っても切れない関係というべき、偉大な相棒がいます。それが「マグネシウム」です。
マグネシウムは、細胞の内側に入ったカルシウムを、再び細胞の外側に連れ戻す役割を担っています。つまり、細胞内外のカルシウムの濃度差は、マグネシウムによって一定に保たれているわけです。
また、骨と血液中のカルシウムの濃度をコントロールしているのもマグネシウムです(直接的にスイッチとなる主役のカルシウムに対し、マグネシウムはカルシウムを陰で支える黒子役)。
そんな大事なマグネシウムですが、現代人は、マグネシウムを消耗しやすく、不足しやすい環境に置かれています。例えば、
〇カフェイン、アルコールの過剰摂取
〇甘い飲食物、加工食品の日常的な摂取
〇薬
いずれも体内のマグネシウムを無駄遣いすることになります。また、現代人なら誰もが多少なりとも抱えているであろう「ストレス」も、体内のマグネシウムを奪ってしまいます。
食材に含まれるマグネシウム量も減っていますので、体内のマグネシウム量は何ともおぼつかないレベルとなってしまっています。
4.【例として、牛乳によりカルシウムが悪玉化する二つの要因】
マグネシウムの説明が終わったところで、カルシウムが悪玉化する要因について説明します。
カルシウムの悪玉化は、「脱灰」が異常に進み、「再石灰化」が追いつかなくなることではじまります。その要因は大きく分けて二つあります。
一つは、マグネシウム不足です。マグネシウムは細胞内のカルシウムを汲み出すほか、再石灰化にも関わっています。
もう一つは、動物性タンパク質の過剰摂取です。タンパク質を摂り過ぎると、代謝産物として酸性物質が大量に生じます。すると、血液が酸性に傾き、それを中和するために骨からカルシウムがどんどん溶け出してしまいます。溶け出したカルシウムは、悲しいかな、異所性石灰化の要因となります。
以上を牛乳の例で具体的に説明すると、
牛乳のカルシウム対マグネシウム比率は、11対1(「2対1」が生命活動にとって最もいい状態だとされています)。マグネシウムが極端に少ないので、牛乳は脱灰の促進要因となります。
また、牛乳は、れっきとしてた高タンパク食品ですから、この点でも脱灰を促進します。
マグネシウム不足とタンパク質の過剰、この二大要因により、牛乳は体内のカルシウムを悪玉化させてしまいます(牛乳の問題点は、それ以外にもあり、日本人のほとんどは消化吸収のトラブルを招く、ホルモン様物質が高濃度で含まれている、人工的な成長ホルモン剤が高濃度に含まれている、殺菌処理で生じた過酸化脂質が大量に含まれているなど多々あり)。
*カルシウムを悪玉化させる大きな要因として、他に以下の要因などがあります。
○リン酸塩の過剰摂取
リン酸塩は血液を酸性に傾け、それを中和するアルカリ剤として、骨からのカル
シウムの溶出、つまり脱灰を促進してしまいます。多くの加工食品に添加されて
ますし、もともとリンが多く含まれる肉類等にも気をつけなければなりません。
○糖質の過剰摂取
例えば、精製された砂糖を摂り過ぎると、細胞内でのエネルギー生産がスムーズ
に行われず、そこから乳酸という物質が発生します。この乳酸は血液を酸性に傾
けます。その結果、中和のために骨からカルシウムが溶け出てきて骨がもろくな
ります。また、このカルシウムが動脈中に堆積して動脈硬化が進行するなど、
脱灰と異所性石灰化を促進してしまいます。
5.【悪玉カルシウム(異所石灰化)の影響は全身に及ぶ】
健康な人の体では骨や歯などの硬組織に、そしてそれ以外の軟組織では細胞外にカルシウムがあり、細胞内にはほとんどカルシウムがないのが正常な状態です。
ところが、不健康な人の体では、「軟組織の細胞内」、あるいは「血管内」にカルシウムが蓄積していきます。これが「異所性石灰化」ですが、この現象は、「脱灰」が異常に促進され、「再石灰化」が追い付かない場合に発生します。まさに、血液中にカルシウムがあふれ、居場所を間違えた結果です。
この居場所を間違えた悪玉カルシウムは、私たちの心と体に様々な病気をもたらします。それを体内のシステム別に示すと、以下のように多岐にわたります。
[骨格系] ・・・骨折、骨粗しょう症など
[筋肉系] ・・・けいれん、便秘、運動失調、視力低下など
[神経系] ・・・めまい、転換、自閉症、うつ、不眠症、月経前症候群など
[免疫系] ・・・アレルギー、がん、リウマチなど自己免疫疾患など
[循環器系]・・・心筋梗塞、脳卒中、高血圧など
[内分泌系]・・・糖尿病、前立せん肥大、生理痛、生理不順など
6.【カルシウムを悪玉化させない対策】
上述の反対を行けばいいだけですので、
○マグネシウム損失の要因を減らす
(カフェイン、アルコールの過剰摂取、甘い飲食物・加工食品の日常的な摂取、
薬、ストレスなど)
○マグネシウムの補給
(各種ミネラル等をバランスよく含んでいる、できるだけ加工度の低い食材の
選択)
○カルシウム・マグネシウムのバランスを崩さない環境づくり
(牛乳など乳製品を控える、腸内環境を整えるなど)
(参考書籍)
・老けない体は骨で決まる(山田豊文著)2012年