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腰痛のある方へ(2012.12.08)(2017.04.20.更新)
(補足①②に、自分改善方法の例を紹介しています)
「手・足・腰診療スキルアップ」仲田和正著(2004年)
上記書籍から引用します。
(引用はじめ)
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腰痛症は大変頻度の多い疾患ですが、MRIなどをもってしても、
その多くは原因を確定できない。
家庭医を受診した腰痛患者で診断確定できたのは、以下通り。
◇椎間板ヘルニア 4%
◇脊椎圧迫骨折 4%
◇脊柱管狭窄症 3%
◇脊椎すべり症 3%
◇悪性腫瘍 0.7%
◇化膿性脊椎炎 0.01%
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(引用おわり)
上記以外にも腰痛を引き起こす原因として、
◇消化器系の疾患(胆石症、急性膵炎など)
◇泌尿器疾患(尿管結石、腎盂腎炎など)
◇婦人科疾患(子宮筋腫、子宮内膜症など)
など挙げられますが、現在でも腰痛の原因の85%は分からないと言われています(2017年時点でも、残念ながら同じ状況)。
しかし、腰痛の原因の大半は、以下に述べるものにあります。
それは【筋肉】です。
受け入れがたい方もいらっしゃるかもしれませんが、
骨ではなくて、“筋肉”にあります。
詳しい説明もなしに、ただ“筋肉”と言われても・・・となるかもしれませんが、
ここで、どなたにでも可能な腰痛の原因を絞り込む一例を示します。
まず、大きく、
◇内臓由来の腰痛
◇筋肉由来の腰痛
のどちらであるかを見極めます。
内臓由来の腰の痛みは、姿勢・動作にあまり関係なく(変化しない)、
筋肉由来の腰の痛みは、姿勢・動作で変化します。
ここでは動作で痛みが変化したケース、つまり、筋肉由来の腰痛の場合で書いてい
きます(ほとんどの原因は“筋肉”にあると最初に書きましたので、こちらのケース
を選択します)。
立っている状態(立位)で出ている痛みの大きさを把握してもらいます。
例えば、5段階(1が一番小さく、5が一番大きい)で3の痛みがあったとします。
無理のない範囲で前屈、後屈をします(それ以外の動作確認は記述省略)。
◇前屈した時、4、つまり、痛みが強くなったのであれば、
体の背面側(特に多いのは下肢後面の筋肉やアキレス腱)に主原因があります。
◇後屈した時、4、つまり、痛みが強くなったのであれば、
体の前面側(お腹側からアプローチできる筋肉)に主原因があります。
特定できたら、その原因の筋肉硬縮部にアプローチしていきます(筋肉が硬まっているので、それを緩めていきます)。
筋肉硬縮が解消され、そして体の使い方などまで修正されれば(誤りがなければ
もちろんその必要はないですが)、ほとんどの方が痛みのない生活を送れるよう
になります。
ちなみに、筋肉硬縮度合いが軽ければ、自分でも対処可能です
(補足①②をご覧ください)。
(補足①)操体法
実施時のポイントは、
◇痛くない方向へ動かす
◇息を吐きながら“ゆっくり”動かす
◇瞬間的に脱力する
毎日、朝晩1セットずつでOKです(1セットの所要時間は3分前後)。無理のない範囲で実行されてみて下さい。
・操体法実施例
後屈で痛みが強くなるなら、「膝倒し体操」が効果的かもしれません。
やり方はこちらの動画でご確認ください。
念のため、書籍からのポイントを書き出しておきます。
仰向けで左右に膝を倒して、きつい方を見つけるのが一つ目のポイント。
左がきつければ、左から右へと痛くない方向に動かしますが、
そのとき息を吐きながら、
10秒くらいかけてゆっ~くりと動かすのが2つ目のポイントです。
このとき速く動かすと、緩めたい大腰筋が使われないため効果がでません。
床まで倒しきったら、少し力を入れて5秒間ぐらい床を押します。
もし床まで倒せない場合、クッションなどを置いてそれを押してください。
その後、一瞬にして全身脱力するのが3つ目のポイントです。
これを3回繰り返して1セット終了。
なお、反対側に倒すことをやる必要はありませんし、
倒した時に5段階で2を超える痛みがあるときには中止してください
(もしくは2を越えない程度に実施してください)。
(参考書籍)
写真図解 操体法の実際 愛蔵版(茂貫雅嵩、橋本敬三著)2005年
(補足②)
仙骨回り、股関節周りの筋肉に原因があるなら、こちらもいいかもしれません。
その他、【ゆる体操】・【腰割り】も可能性があります。